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そして……。
「被告人を、死刑に処す。」
最後の特務課メンバー・北条。
彼は犯罪組織『神の国』の総帥として、数多くの事件の関与、凶悪な殺人事件を指示、そして官房長官の阿久津を殺そうとした殺人未遂など数多くの容疑で起訴された。
その結果、大量殺人の容疑において、北条には死刑が言い渡されたのだった。
「……まぁ、そうだよね。」
北条は、取り乱すことなく判決を受け入れた。
「北条さん……」
「まぁ、わかっていたことだけどな。」
「でも、なんか……。」
「辛いね。」
「私……なんて言ったらいいか……。」
虎太郎を除く、特務課の5人は裁判の傍聴に来ていた。
そして自分の耳で、北条の死刑判決を聞くのであった。
ずっと事件を追ってきた仲間が、巨悪の根源だったこと。
そして、死刑が言い渡されたこと。
メンバーたちはその事実をなかなか受け入れられずにいた。
「何か、言っておきたいことはありますか?」
裁判官が、北条に問う。
「……判決に関して不服はないよ。自分もそれが妥当だと思う。」
北条はいつもと変わらない様子で飄々と答えた。
「……じゃぁ、犯罪者から一つだけ。」
そして、そういうと傍聴席の方を向く。
「犯罪者って、もともと悪い人がなるもんじゃない。普通に生きてる人が、何かのきっかけで犯罪者になっちゃうんだ。僕も、そうだった。みんな、犯罪者になってしまう可能性があるんだよ。でもね……、日本は素晴らしい国だ。優秀な警察官が、そして正義を貫こうとする人たちがたくさんいる。だからさ……。」
北条の顔が上がる。
その視線の先には、特務課のメンバーたち。
「自分が犯罪に手を染めようとしてしまった、その時は、迷うことなく警察に相談してほしい。きっと、君たちの話を真摯に聞いてくれる。そして、どうすれば良いのかを必ず示してくれる。そういう人間だからこそ、警察官なんだよ。僕も……もっと早く相談できればと、今更ながら後悔しているよ。」
苦笑いを浮かべる北条。
「警察は、皆の正義の味方だ。正義の味方に手を伸ばすことは、恥ずかしいことじゃない。自分の人生を、運命を変えるために、ぜひとも声を上げて欲しい。相談してほしい。報復なんて心配いらない。そんなことが起こらないようにきっと警察はしてくれる。泣き寝入りなんて、やめよう。人間はみんな、幸せに生きる権利があるんだよ!」
その言葉が、傍聴席にいた人間の旨を打ったのは言うまでもない。
最後の特務課メンバー・北条の言葉で、他のメンバーたちはそれぞれに志を高く持つのであった……。
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