悠真は、特務課解散と共に警視庁を去った。



「はいはい、また逃げられたの? じゃぁ防犯カメラのデータ集めとくよ。集まったら送るから。」



今では警視庁御用達の情報屋になっている。

昔のハッカーのような犯罪スレスレの行為は行っていない。

あくまで、同業他社と協力し、公式な手順を踏んでの情報提供である。


同時に、得意のインターネット関係を活用し、情報収集の会社を立ち上げる。

犯罪だけにとどまらず、グルメ、観光スポットなど、誰でも見て楽しめるサイトをカテゴリー別に作成・公開。


大手サイトの情報よりも、『穴場を見つけるならここ』『実際に体験しないと分からない情報がたくさんあって、コース選びに迷わなくて良い』などの高評価を得ている。



「世のため人のため……、警察と言う組織にこだわらなくたって、僕には僕なりの価値があるんだよ。まぁ、特務課が残っていれば警視庁を出るつもりはなかったけどね。僕は司さんに恩があるわけだし。」



司の誘いによって特務課に加入した悠真。

自分をただのハッカーから、人の役に立つオペレーターへと成長させてくれた司には、返しきれないほどの恩がある。

それを、悠真は『情報』と言う形で司達警察に返していくことに決めた。



「え?報酬?……基本的にお世話になった警視庁相手にはノーギャラで情報提供してるよ。あとは、情報のないようにより……かな。会社の収入自体は、有料コンテンツとか広告収入で得てるから、まぁ、悪くはないかな?」



得意分野を存分に生かし、新たな生き甲斐を見出だした悠真。

彼は近い将来、日本のネット会に激震を生むことになるのだが、それもまた先の話である。



「みんな、元気にやってるかなぁ……。また、みんなで集まりたいなぁ……。」

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