第9話 言葉で伝えなきゃ……!
『+』『Y』って、「れ」「ん」だよなっ!?
気づいてくれたのかーー流石、碧!
はぁ……今日も彼女が可愛い。
俺は、最後に、付箋を貼った。
『4#1133322』
気づいてくれると嬉しいな。
「おかえり」
「…うん、ただいま」
え、え………………!?
返して、くれたぁ!?
俺にとってこの日は、今までの恋愛人生において一番のご褒美かもしれない…………………………!!!!
「ねえ、蓮」
まさか、話しかけてくれるなんてっっ!!!!
「…なに?」
「これ。「大好き」って意味でしょ?」
流石碧、気づいたのかーーだが、なんて返ってくるんだろう。
そして俺は、なんて返せばいいんだろう……!?
とりあえず、こくんと頷いた。
「そ、その…………」
…………………………ん?
どうしたんだ、急に顔を赤くするなんて……?まあ、大好きって言われたら誰でもああなるのかな?でも、嫌いなはずの俺に。
「……え、えっと……そ、の……」
…………………………………………じれったい!
早く言ってくれよぉ!!!まあ、照れてる碧は今まで以上に可愛いけどっ……!!!!!
「わ……」
「わ?」
わ?「私」とか?
「や、やっぱりなんでもない!」
「あ、おい!」
碧は階段を駆け上がってしまった。
俺の伝え方が下手すぎたのかな?
じゃあ今度は、今度こそは、言葉で伝えよう……!
◇◇◇
また新しい付箋だ…。
ぺら、とめくってみる。
『4#1133322』
えっと。
なんだろう?よん、シャープに、いちいちさんさんさんにーにー?
『ねえ。これ、なんて意味か知ってる?』
高校の同級生で、この前一緒に飲みに行った女友達に送る。
すぐに返事が来た。
『それ、大好きって意味だったと思う』
…………………………………!?
つまり、「あおい大好き」ってことぉ!?
「これ。「大好き」って意味でしょ?」
どきどき。
もしかしたら、違うかもしれない。だけど、そう信じたい自分がいるーー。
蓮は、恥ずかしそうにこくんと頷いた。
ーー!!!
それって、つまり、そういう………………!
蓮は、私のことが嫌いってわけじゃないかったんだ!むしろ、両想いなんだ。
「私も大好き」って伝えないと。
「そ、その…………」
やばい、恥ずかしい。
蓮のことは大大大好きなのに、伝えられない自分が情けない!
「……え、えっと……そ、の……」
ああ、もう。何してるのよわたしぃ………………!!
言うのよ、上川碧!「私も蓮が大好き」って!!
「わ…」
「わ?」
ああ、蓮が困っちゃってるじゃない!
「や、やっぱりなんでもない!」
「あ、おい!」
ああぁぁぁ……………………!!!
すっごく心臓がうるさい。
絶対に、伝えなきゃ。
今度は、今度こそ、言葉で伝えよう……!!
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