第8話 彼氏に伝え返したい……!

デートを終えて、また私たちは日常に戻った。蓮はまだ冷たいけどーー。


「碧。お守りはどこにつけた?」


…………………………………………!?

なんで、なんで知ってるのぉ!?


確かに私は蓮が買ってるのを見て真似したけど、バレないようにしたつもりなのにぃ!

でも、お守りを買ってにこにこしている蓮。


いつものかっこよさとのギャップで「可愛すぎぃぃぃ…………!」って思っちゃった。


だけど、どういう意図で買ったんだろう。もしや、新しい女ができるようにって……!?そうだったら、悲しすぎるぅぅ…………………!


「そんなもの、買ってないけど」


嘘です、嘘です!買いましたぁ!


そのとき、ピコン、とメールが来た。


『飲まない?』


女友達からだった。


「今日、友達と飲みにいく」

「…わかった」


え、それだけ?

なんか聞いてよ!?誰と、とかどこに、とか!!!言わない私も悪いんだけどねーー。


逃げるように、飲みに来た。


「碧、こっちこっち!」


高校の同級生たち。

そして、彼女らはここぞとばかりに聞いてきた。


「蓮くん、どう!?」

「いい彼氏!?」


そう、私と蓮は幼馴染だから彼らも知ってるのだ。

それに、仲が良い彼女らにはいつも恋愛相談に乗ってもらったな。


「それがねーーすっごくかっこよくて、優しいのぉーーーー!最っ高の彼氏よっっっ!!!!」


そうそう。私、蓮が大好きなのよねーーーーーーーーー!


「わあ…よかったです」


帰り際には、惚気話を聞けてよかったよと言われちゃったーー。


「ただいまぁ」

「おかえり」


ああぁ、反応してくれたっ!!!大好き蓮!


でも私今、酔ってる自覚あるんだよね。

うっかり口を滑らせないように気をつけないとぉ……。


そのまま多分、ぐっすり寝た。


「おはよう」

「…うん」


ああ、なにが「うん」よ!?私ってば何言ってるのぉ!ほら、蓮が困り顔じゃんっっ!

はあぁ、でもかっこいいぃ……!!!


講義でノートを開くと…。

ぴら、と付箋が挟んであった。これは、前、一緒に買いに行った付箋じゃない!覚えててくれたんだ……。てことは、蓮が挟んだのね!


どれどれ、何が書いてあるの?


『3』


さ、ん?

でも、蓮のことだからきっとなにかあるのよね。


次の日も


『6』


次の日は


『E』


なにこれ、私、シャーロックホームズじゃないよ??

そんなとき、私は家でレポートのためにパソコンを立ち上げた。


なんとなく、キーボードを見つめているとーー。


「あ、お、い…?」


そうか!

『3』『6』『E』はキーボードで「あ」「お」「い」なんだわ!


蓮の不器用さに、思わず笑っちゃう。

でも、すっごく嬉しいぃぃ…………!!


『+』『Y』キーボードで「れ」「ん」!


お返ししよう。

これから、何があるんだろう!?




















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