第5話 デートにしては、彼女が甘い…!?

「碧、まだか?」

「うるさいわねっ、ちょっと待ってよ!」


どたどた、と碧が階段を駆け降りてくる。

はああああ、いつ見ても碧は可愛いなぁ……………………!!!


大学の講義の時とはまた違った、「デート用」の服。

ほんとに、ほんとに碧は可愛いすぎる!


「ねえ、一歩遅くしてよねっ、そんなことも考えられないのっ!?」

「はあーお前が遅いだけだろ。早かったり遅かったり、気まぐれだな、ほんと碧は」


やばいやばい。

可愛い碧の隣に並ぶのは緊張しちゃうし、絶対隣に並んだら手を繋いじゃうんだぁーー!


でも、そんなことしたら……。


「触らないで」


冷たく突き返されるんだろうなぁ。はぁ。


歩いているとクレープ屋があった。美味しそうなので、寄ってみる。

思わず買ってしまった…しかも、碧が大好きな苺の!


「なあ、このクレープ食べる?」

「っ………………!」


そりゃ躊躇うよな。

だって、これは俺が一口食べたやつ。つまり、このまま碧も食べてしまうとーー。


嫌いな俺と間接キスするなんて、碧は嫌なはずだ、絶対。

悲しいことになーー。


「はっ。食べれないよな?」


ちょっと煽ってみたらーー。


「た、食べるし!」


と言って、碧は俺の食べかけクレープに口をつけて食べた。


………………………………………………ええええええええ!?

待て待て。今のは幻覚だ、そう、幻覚!

と言って手元を見るが、ない。そうだ、碧が持ってるんだったぁぁ!


やばい、このままだと俺は沸騰してしまう。

しかも、可愛すぎだろおい………………………!


「碧…行くぞ」

「へ、は、うん」


この場から離れないと俺、やばい!碧にこんな顔見せられない…。


俺たちは、すぐに目的地、神社へ行くことにしたのだが…。

なーんか、変だぞ。違和感がある…?


はっ、神主さん!

すると、碧が真っ先に神主さんのところへ向かって行った。


「ここって、縁結び神社ですよね?」

「ええ。そうですよ」


……………………………………!!??

え、え、え、縁結び、神社ぁ……!?

にやあ、と碧が見てくる。しまった、嵌められたんだ、俺…!


あ、でも良い。

ここで碧との仲復帰を願っておけば…!


お賽銭を入れる。二礼二拍手をしてーー。


ふぅ。

神様。


可愛い、可愛くてたまらない大好きで大好きな碧が、俺にもう一度振り向いてくれますようにっ!!!!そして、俺も永遠に碧を大好きでいられますようにっ!!!!!

そして、俺は碧に嘘をついてます。本当は、大好きなんですーーーーー!はい、それはもう!どうか、伝わりますようにぃぃ……………………………!!


目を開けて、一礼終えてから碧を見る。

なんだか今日は、碧が甘いみたいだ……!俺にとってはこれ以上ないご褒美なんだけど。


ああ、改めて思う。


俺の彼女、可愛すぎだろぉぉぉぉぉぉ!

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