第6話 家族会議の前に(改)
夕飯時に作付けを決めることとし、各々のしたいことを優先することに。
せっかくなので、家から少し離れた場所に移動し、メニュー画面を確認してみることにした。
「えぇと、今の生活に直結するものを真っ先に選んで使ってみたけど、他のはどうなってるかな?」
素直に牧場系のメニュー画面を開ければ良いものを、興味の赴くまま他を調べ始めるタイチ。
呟きと共に、目の前に広がるメニュー画面たち。
(うん、目移りするよね。この中から何も考えずに選ぶと予想外のことが起きそうな気がする。そうですよね、神さま!)
そんな思いも束の間、目の前に開かれていた一つのメニュー画面にメッセージが流れる。
【ドイカの街からオーガの集落へ、
急に出てきたモンスターとの戦いを開始するアナウンス。
(はい!これ、調べないと拙いヤツ!!
どこ、どこですか?!
あ、これ、野望系……、えっ?すでに、スタートしてるの??
あ~、日本だし…。富士山っぽいのが見えてたからもしかしたらと思ったけど…。
え~と、戦の場所は・・・、北海道か~、って自分の居るところはどこよ? )
全国地図により、自分の住んでいる世界の姿が見えてくるタイチ。
それとともに、やはりモンスターの脅威がある事にも気づかされる。
「はぁぁぁ~、やっぱりRPGのメニューもあるからLv上げもしろって事か~(泣)
せめてもの救いは、近くに魔物の集落がない事か」
と呟くも、近くに【スライムの池】などが目に入る。
……池ができるほどに多いのか、それとも大きいのか不安に駆られつつも、メニュー画面を再確認する。
「え~と、現在地はだいたい甲府あたりか。………金山あるよね。」
戦とは関係ない、知っていてはいけない情報がポロリと漏れる。
「秩父の方にもあったよね。うん、どんどんヤバいことをオモイダシテルヨー」
そして更に思い出さなければ良いものを思い出す。
「あ?討ち死にとか寿命設定あったよね?全員なのか、自分だけなのか、仲間にした人だけなのか……。あ~、あ~、ミテイマセンヨ~~。よしっ、後回し!!」
己の容量を軽く超える問題が簡単にでてくる状況に更なる危機感を覚えつつも、流石に今の若さのまま年齢が固定されては問題が大きいので、後回しにするタイチ。
バレて国の偉い人に捕まるのはいつか?との不安も湧き出してくる。
改めて、牧場物のメニュー画面を見ようとするものの、またまた違うものが目に入る。
「アーマー〇〇〇のも買える? んあ?こっちはエース系の画面は戦闘機?」
お金も無ければ操縦技術もないのに、余計なものを見つけ始める始末。
そもそも、この世界のモンスターに、その手の武器がどれくらい効果があるのかも判ってはいない。
しかし、やはり一度は操縦を夢見るロマン機体たち。
この世界にあって良いものか悪いものか判断がつかないまま、機体のカタログ画面を見ていくこと十分少々。
流石に、このままでは家族会議の時に上の空になると心引き締めなおす。
「まだ確認してないメニュー画面がいくつもあるって言うのに、いつまでも寄り道が終わらない…。ふぅ、いかげん牧場物の画面を見ないと」
よくよく考えれば、装備の変更と畑づくりしかしていない事を思い出す。
そう、牧場物のメニュー画面には「クラフト」「料理」などの項目がしっかり残っている。
また、メニュー画面ばかりに気を取られ、家族には見えていない「出荷箱」の存在にも気が付いていなかった。
止めを刺すように、見えていない中に、牧場物の作品の仕様が複数混ざっていることにも理解が及ばない模様。そう、能力が解放されていくと青いネコ型ロボットのひみつ道具が……。
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