みーふぁん
押田桧凪
第1話
「日本人の朝食」と聞くと、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。和食だと白米、焼き魚(目玉焼き)、味噌汁といった『朝食セット』が某牛丼屋で提供されているように、多くの人の頭の中でそんなイメージが浮かぶかと思います。しかし、国が違うと『米』も変わる。
台湾に来て思ったのは、なかなか日本で食べていたお米に出会えないということです。当たり前かもしれませんが、日本の銘柄米をわざわざ輸入して食べる家庭/提供する店が台湾には少ないのでしょう。
台湾の朝食にはハンバーガーやサンドイッチといった洋食や、お粥、台湾式クレープやエッグパンケーキと呼ばれる
このような、様々な文化が混じって形成されたメニューや商品(例:コンビニには欧米のお菓子が多く置いてあり、日本のアイスやお菓子は少々割高で売っている)で溢れていることからも、台湾で「ライスだ!」となるお米を見つけるのは難しいと感じました。
しかし、私は諦めませんでした。一番日本のお米に近いものを求めて食べ歩いていた結果、たどり着いたのは台湾セブンイレブンの「おにぎり」でした。勿論、屋台や露店にも米料理(
台湾セブンイレブンのおにぎりには、日本では珍しい(?)「ガパオ」や「豚キムチ」といった変わり種のおにぎりがレギュラー商品として並んでおり、先述したパラパラが合う炒飯やガパオライスにはぴったりなお米が広まっているからこそこうした種類が食べられるのではないかと考えました。
そして、お米はしっかり日本を感じました。おにぎりゆえに製造上、多少はご飯粒の圧縮があるため正確に判断することはできませんが、たしかに「日本だ」と思いました。そういう意味で、異国にいて食べられる・安心できる場所/商品があるというのは貴重で、とてもすごいことだと思うのです。
(例:先日、超熟パンを潰さずにイギリスに持ち帰ったというポストがXでバズっていたように、『自国の味をまた楽しむことができる』というのは駐在員といった海外で生活している日本人の方にとって一種の希望なのかもしれません。)
(ちなみに、ご飯のお供として飲みたい「お茶」に関してですが、日本人の普段飲んでいるお茶を台湾で買いたい時は『日式』『無糖』と書かれたものを推奨します。お茶のほとんどは加糖の状態で売っているので、知らずに飲むと「うっ……!」となる方もいるかもしれません。)
しかし思い返してみると、日本人が認める「これこそ日本のお米だ!」というものをわざわざ台湾に来てまで探すのは間違っている気もします。ですが、どうしても異国に降り立ったがゆえに「
(ちなみに、「ライスバーガー」というお米のバンズが日本にあると思うのですが、
ですので、完全にお米と切り離した食生活が特にあるわけでもなく、お箸も日本同様に使うし(韓国文化(食やドラマ、音楽)の影響も受けており銀色の箸もお店で結構見かけます)、おにぎりやお寿司、おでんといった日本料理を食べることもできます。(例:「くら寿司」「スシロー」「CoCo壱番屋」「丸亀製麺」「大戸屋」「やよい軒」「一風堂」「すき家」「吉野家」「モスバーガー」(緑ではなく赤)「しゃぶ葉」「サイゼリヤ」「コメダ珈琲店」「ミスタードーナツ」といったチェーン店が多く進出しています。)
まったく違う! とまではいかない食事の文化圏(甘い・辛いの誤差はあれど、台湾料理はむしろ日本人の口に合うと私は思っています)ゆえに、逆に「もうちょっとここを……」と感じる機会はあります。ですが、味はどれもとても美味しくて大好きです。
それから、最後に。台湾は「外食文化」なので、キッチンが無い家庭があるように朝食から夕食まで外で済ませるという感じの人が多いです。そのため、配達業者(Uber EatsやFood panda)のバイクで道路は溢れかえり、「
BentoはたしかにMottainaiやTempra、Sushi、Wasabi、Ramen、Nattou(Pokemonももう殿堂入りでしょうか)同様に日本語から世界に広がった言葉だとは知っていましたが、日本統治時代の影響もあり、ご飯とおかずが詰まった持ち運びに適した食事箱(日本人の想像する弁当と同様)として一般的に広まっているとは私は思いもしなかったので、「
弁当がある! つまり、そこにお米あり。
やはり、切っても切れない関係のところにお米があり、それは日本とは違うのかもしれないけれど形や人々、時代、文化、国を超えて受け継がれ、大切にされたきた「食」の一端を、たとえそれがわずかであっても、「お米」が担っていると感じたのでした。
みーふぁん 押田桧凪 @proof
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