二つのお椀
相澤諷冶
0日目
高校生をやっていると、とにかく金がなくなる。
友達との遊びや、ファッション、メイクにスキンケアなど。金をかけなければ生きていけないのだということが、この歳になると
熱しやすく冷めやすい性格のためか、単発のバイトを好むようになった。アプリに自身の情報を登録しておき、働きたい日時で検索をかけると、2、3件仕事が表示される。その中からより都合の良いものを選び、スマホを数分操作をするだけで、バイトが決まる。前の時代がどうだったのかは分からないが、こんなに楽に仕事が見つかるなんて、いい時代になったと思う。
とある土曜日、スマホのバイブレーションで目が覚めた。確認すると、例のバイトアプリからの通知だった。安眠を邪魔され、恨めしいやつだと無機質な画面を睨む。仕方がなくロックを開くと、明日の午前9時から午後5時まで子どもを預かるバイト、
休日の
それでも、何故かその画面から目が離せなくなった。
子供好きでもなければ、面倒見がいいほうでもない。
しかし、気づけばバイトの応募完了の表示が目前にあった。
スマホの電源を切り、
脳裏に浮かんだ少女は、独りでブランコを漕いでいた。ひたすらに
二つのお椀 相澤諷冶 @fu-raibo
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