第8話

「明日、森でトンボ探しの大会が催されるそうだよ」

「お前らは小屋から出んほうがいい。見つかるといけん」

爺は言った。

爺が釣りに行っている間、家でじっとしていた王子だったがトンボ探し大会の動向が気になって仕方がなかった。遠くで人声など聞こえると居てもたってもいられなくなった。

 ドンドン。小屋の入り口で物音がした。

「誰かいるのかね」

 2人は声を潜めて奥に潜んだ。

すると誰かが戸を足で蹴破って小屋に入ってきた。

「なんか食べ物があるかもしれねえ。探してみよう。」

2人の男が小屋に押し入り、物色しだした。


「あんたたち、何してんのさ!」

気の強いロシェルがいきなり飛び出してきて怒鳴った。

「なんだ、子供か?」

男はロシェルをしげしげ見ると目を見開いて言った。

「おい、こいつもしかしてアルピノじゃないか。」

「驚いた、トンボ探しよりでっけい獲物がみつかったぜ」

2人が彼女に手をかけようとした瞬間に、王子が飛び出した。

「この子に手をだすな!手を出したら・・」

次の瞬間、王子は殴られて気を失った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る