第9話
気が付くと王子とルシェルはロープで縛られて檻に入れられていた。
男たちがロシェルをどうしようか算段していた。
「生け捕りにして売り飛ばしたほうが高く売れるんじゃないか」
「加工して細かく売ったほうが高くなるさ」
「こっちの小僧のほうは、役に立たねえ。バレないように始末しちまった方がいいんじゃないか」
聞いていてぞっとするような話をしていたのを聞いていた王子が口を開いた。
「ルシェルに手を出さないで下さい。僕はどうなってもいいですから!」
「お前なんて何の価値もねえ、こっちの子のほうが金になる。」
「僕だってお金になります。お金になったらこの子を助けてくれるんですね」
「なんだって?」
男は目を見開いた。
「僕の言う番号に電話をかけて見て下さい。」
いぶかしげにしている男に向かった言った。
「僕の両親はお金持ちなんです。無事に返してくれたらお金を払います。
この子も一緒にと言うのが条件です」
ひょっとして金持ちの息子なのかと思い男はしぶしぶ電話をかけて見た。
「もしもし!誰なの?!!どこにいるの?」
電話の相手は王子の姉のゼルダ王女だった。彼女は専用の携帯電話を持っており、その番号は王家の家族しか知らなかった。しかし男はそんなことは知らない。
「子供は俺らが預かっている。500ピール(10万円)の金を持ってくれば助けてやる。」
「どこに持って行けばいいの?」
「湖の竜神が祭ってある宮だ。誰にもいうな。」
「言わないから、必ず無事に連れて来て!約束よ!」
電話を切ると男が言った。
「持って来るとよ。コイツ案外おぼっちゃんみたいだな」
ルシェルが言った。
「本当にお金を持って来てくれるの?500ピールなんて大金。」
「僕にはそんな価値はないかもしれないから分からないけど僕は命はいらないから、絶対に君を守るよ」
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