笑う門には岳が来る⁈

 山口霊神社は入ると(わ〜、キレイ)と白海は感動してた。

 それもそのはず、妖怪は棲家。

 豆子達は調理中なので慌ただしかった。

 「よっ、しれちばもく?(よぅ、キレイだろう?)」顔をボコボコに殴られた小さな隠神刑部は腕を組む。

 白海も誰かわからない。

 「そへさ?縮ふんばかぁ〜そめば(これか?縮むんだなぁ〜これが)」

 皆んな同時に「違う違う(違う違う)」無敵感を出していた隠神刑部は一瞬で

 「豆子姐さん、怖ぇ〜(豆子さん、怖ぇ〜)」と思った。

 「ぢゃか、摘み食いひてひるで!(じゃあ、摘み食いしてくるぜ!)」と隠神刑部は果敢に宣言して走っていた。

 「あぁ〜あ、絶対怒られるよ?」河子は白海に言う。

 (どうして?)白海は皆んなに聞く。

 「豆子さんは調理中は特に怒るの?」ウメは白海がわからないことを言う。皆んなはわからないからだ。

 「ウメちゃんってホンマに目があるんちゃうかって思うわなぁ?」櫻は河子に言う。

 「ホンマ⁈白海のことを『心の眼』で読み取るんはホンマにすごいわぁ〜」河子も感心する。

 (ウメさん、すごいです!)白海も感心する。

 「いえいえ、皆さんも凄いです!」ウメは手を大きく振って照れていた。

 「照れてるなぁ〜⁈」河子は戯けて言う。

 さらに「まぁ、行きは玉、帰りは王子様やからなぁ〜」櫻も戯けて言う。

 ウメは顔を真っ赤にして言う。耳も。

 (ウメさん、もしかして隠神刑部さんに好きなのか?)ストレートに白海は聞く。

 「イヤイヤイヤ⁈何ですか、急に⁈」ウメはさっきより真っ赤になる。

 すると(ウメさん、さっきより真っ赤になってるよ?)白海は嫌な意味でストレートに言う。

 「あ、わかった!白海ちゃんの言う出る意味が!そうそう、ウメちゃんはな隠神刑部を好きなんよ?」櫻は白海に対して、いや、白海と間接的にウメに対して言う。

 すると「お〜ま〜え〜は摘み食いの規模が違うわ!ボケー!」と豆子は厨房から飛び蹴りかまして

 (ゥオ〜⁈)口に一杯食べ物を詰めた隠神刑部を追い出して、隠神刑部は転がった。

 「へん、こらくらいにいとすか?(ふん、これくらいにしとくか?)」隠神刑部は立ち上がって(パン、パン)と埃を叩く。

 「なんだよ?お前ら行くなら覚悟いるで?」隠神刑部は声をかけて去る。

 それを見た女性共は(隠神刑部より豆子しか強いの違うんか?)と首を傾げながら歩き本堂に向かう。

 「よ!大変でしたね?」ゴロゴロと転がるのは太郎。

 「太郎ちゃん、ただいま」ウメは太郎に撫でたが

 「あれ?見やん顔ですね〜?もしかして、暴れてたんコイツですか?」太郎はゴロゴロ転がって白海の顔を見た。

 「ん〜?」(ジー)太郎と白海は見つめ合う。

 「白海。太郎はな、玉と同じ双子やねん!」櫻は白海に声をかける。

 (あ、そうなのですか?宜しくお願いします!)白海は太郎にペコッとお辞儀した。

 「白海はな喋れないらしいねん!でも今のはわかった、宜しくお願いしますやろ?そうやろ?」櫻は当たったか白海に聞く。

 (コクッ)白海も答える。

 「よっっっしゃ〜!」櫻は大喜びした。

 「へ〜、そうなんや。何でも聞いてや、妖怪の漫才のツッコミの方やな!」太郎は自分でウケたが

 「自分で言うか?間違いなくボケ二匹や。白海、私の攻撃受けたんよ?凄くない?この私のやで?」河子も自分のことを褒めるが

 「河子はん、自分を言ったらあかんやん!」太郎と河子と即席漫才を披露した。

 「おぉー!」(おぉー!)全員が拍手する。

 「それにしても河子を相手にするって、何者ですか?」太郎はウメと白海に聞く。

 「忍びです。忍び里の長達は使えないとなり、白海と岳・・・」(忘れてた〜)ガックリとするが

 (お兄ちゃんも忍び。大丈夫だよ!)白海はポンポンとする。

 すると「出来たぞ〜!」豆子達は宴会の準備を(サッサッサッ)してもう宴会。

 「さぁ、ご静粛に。ご静粛に。今から隠神刑部と行きたいところ、『やらね〜よ』と毎度のことですが断られまして、高林坊がさせていただきます。司会は櫻と(ゴンッ、ゴンッ)言います、では(ドゴーン、ドゴーン)高林坊」司会はまた櫻。前と違うのは玉と太郎はもう酔い始めたが、鈍い音を喰らい瀕死だったこと。

 「えぇ〜、みなさま、お手元にグラスはお持ちでしょうか。

 僭越ではございますが、乾杯の音頭をとらせていただきます。本日は白海と岳・・・あ、遅刻?みなさんと杯を交わして大いに楽しみましょう!

 それではご唱和をお願いします。乾杯!」

 「乾杯!」ウメ達は宴をすると遠くの方から「狸妖怪〜!」岳は走ってくる。

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