えべっさん
「湖なのかな?」ウメは磯の匂いを感じたが
「明石の海だ。ここはな、なんと言っても海だ。豊富の鯛や蛸など鍛えてる。」隠神刑部は頭に乗せながら説明する。
「大量かな?」雲に乗りながら片方は釣り竿、もう一つは鯛。
笑顔なニコニコっと笑っていた。
「神はサボってていいのか、えべっさん」隠神刑部は聞く。
「ほっほっほ。サボってなぞおらんぞ、息抜きじゃ」えべっさんは答える。
「巫女達は怒ったるだろうよ」
「およ、よよよよ、これは人間か?」えべっさんは頭を曲げて聞いた。
「ウメと言います。」
「ウメは視力がないらしい。全盲だ」隠神刑部はえべっさんに説明する。
すると「妖怪達はいい奴かぇ?」えべっさんは笑顔で聞く。
「ハイ!」ウメは心地よい返事であった。
この返事を聞いたえべっさんは「ほっほっほ。えぇ返事と綺麗な心。隠神刑部は楽しいだろう?」えべっさんは聞く。
「ハイ、隠さんだけでなく高林坊さんは目が見えてない分上手く説明してきますし、玉ちゃんと太郎ちゃんはいつも隠さんに怒られるんです」
「ほっほっほ。そうか、そうか。で、隠神刑部はまだかかりそうか?」
「やらね〜よ、神なんかと」
「ほっほっほ。まぁ、そう云わずに。いつでも待ってるぞぃ?」えべっさんは去っていった。
「えべっさんは神様なの⁈」ウメは驚く。
「神様だ。
「フン」と隠神刑部は鼻を鳴らす。
(へぇ〜、隠さんも鼻を鳴らすほど、えべっさんって凄い人なんだ〜)とウメは心の声で思う。
「えべっさんは隠さんに神になる様に薦めてるの?だったら神になるべきよ!」ウメは隠神刑部に言ったが、隠神刑部はため息をついて
「いいかぁ〜、ウメ!神とはな八百万神。皆んなえべっさんにいい性格とは限らん!」隠神刑部は偉く怒ったが
「ごめんなさい」ウメはしょんぼりする。
「ほらぁ〜、ウメちゃんがしょんぼりするでしょう?」女性だが異様に長いろくろ首の
「隠神刑部は乙女の気持ちがわからないからなぁ」イケメンの首がないことから
「隠さんは乙女の気持ちがわからないのか」
「隠さんは可哀想でやんすね」玉と太郎は頷く。
(コイツら、後で殺す)隠神刑部は冗談で言うたつもりが(コイツら、後で殺すの?)ウメはポロポロと大粒の涙する。
「えっ⁈なんで⁈」隠神刑部達は慌てふためく。
「ごめん、何か不味いこと言うてもうかな?」玉は慌ててしまう。
「乙女違うか?ようみたら大人や、女性や!誰や乙女言うたんは!」太郎も意味不明に芳一に言う。
「えぇ〜⁈ほんだら俺か?ごめんなさい」芳一も意味不明にウメに謝る。
「ウメちゃん。しょんぼりしたらアカンよ?楽しいこと考えよう?なぁ?」櫻はウメを諭した。
けどウメは隠神刑部に「後で殺すはアカンよ?人も動物も植物も妖怪も無駄に殺すのはあかんよ?生きていく中で無駄な殺生はアカンよ?誓って」ウメは大粒の涙の中隠神刑部に説き伏せた。
(アレ?声に出してないような?)隠神刑部は思って
「殺すは冗談やで。ほんまに殺すとかは、ウメちゃん居ったら隠神刑部はようせえへんよ?でも、わかった。隠神刑部は
「惚の字?」と高林坊以外、聞いた。
「惚の字、知らへんの?ほんまに言うとるん?」櫻は聞く
「櫻さん。惚の字って何?」ウメも聞く。
「ウメちゃんもかぃ?そしたら着いたら言おうか、ウメちゃんだけ」
「うん!」ウメと櫻は約束の印に
「指切りげんまんしょか」
「指切りげんまん?」
「指切りげんまんは契りやで」櫻はウメの小指を立てて
「指切りげんまん、うそついたら針千本飲ます、指切った」と離して
「契りやで」櫻は言うと
「うん!」ウメは喜んだ。
「しっかりと掴まれ、降りるぞ」隠神刑部はウメに声を掛けて
「殺すは冗談だ。だけど気を悪くしたんなら謝る」隠神刑部はボソッとウメに言う。
「こちらこそ、ごめんなさい」ウメも隠神刑部にボソッと言う。
そして降りた地点は、
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