エピローグ① 懐古、そして現在へ

振りしきる雪の中を歩き続ける。自分は何者で、今、どこで、何をしているのかさえわからなくなっても。目の前が真っ暗になっても一つ、一つ、あずきとの思い出をかみしめながら堅実な足取りで歩き続ける。一条の光を抱きながら。出会えてよかったと言ってくれたあずきの言葉を信じながら。腕に残った熱を感じ取りながら。美しく咲き、一瞬で枯れていく一凛の徒花のように健気で儚く強く生きたもう一人の私の存在を忘れないために、一緒に過ごした時間と共に重ね合わせながらまた一歩、一歩と私は足跡を残していく。

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