第21話 音色の遺産
Wさんは年末の大掃除をしているときに、物置から壊れたオルゴールを見つけた。
年代物らしいので、直せば価値が出るのかもと専門店に持ち込んだが、それは無理だと告げられた。
パーツが揃えられないことと、もし強引に直しても元来の音色を取り戻せないだろうといわれてしまった。
それでも良い様子のアンティークなので部屋の飾りとして使っていた。
ある朝、綺麗な音色で起こされた。
それは壊れているはずのオルゴールからであった。
驚いて近寄り、オルゴールを見ると、空っぽな箱が音を出していた。
そして、一通り曲が終わると、砂のように崩れ去ってしまった。
唖然としたが、気が付いたのは、その日が曾祖母の命日だったということだ。
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2024年9月20日 22:37
百夜物語 〜三分の恐怖〜 碧乃びいどろ @AonoBiidoro
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