第17話 古い鏡

Qさんの家には古い鏡がある。

それは、明治時代に生きていたご先祖様から代々の女性に受け継がれてきたものだ。

現在は母の化粧道具入れの中にまぎれているのだが、そのうちQさんの物になる予定だ。

この鏡、実は魔鏡になっているそうだ。

魔鏡というのは、光を当てると像が浮かび上がる鏡のことだ。その原理はウィキペディアでも見てほしい。

Qさんも母からそれを聞いて、自室を暗くして古い鏡にスマホのライトを当ててみた。

すると、反射した光が天井に映し出したのは『はりいぽったあ』という平仮名だったそうだ。

繰り返すが、最初の所持者は明治時代の生まれ。しかも、この鏡を一度たりとも弄ったことはないのだとQさんは首を傾げた。


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