第12話 踏切
ある路線の沿線に住んでいるLさんの自宅は、窓を開けると目の前に線路があるそうだ。
その夜は春にしては蒸し暑く、Lさんは線路に面した窓を開けた。
直後、ガタンゴトンと列車が通り過ぎた。
終電が過ぎた時間帯である。
気味が悪い。
だがそれはきっと貨物列車なのだろうと、自分を納得させるためにすぐ彼は窓から顔を出して電車が去った方向を確認したが、
そこには電車などは走っていなかった。
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