第7話 線香花火

Gさんが、夏の終わりに海辺で友達たちと線香花火に興じていた。

周囲は彼らだけで、真っ暗な夜の中、車座になって座って楽しんでいた。

だが、線香花火がひとつ多いことに気がついた。

五人できたはず。しかし、線香花火は六本。

Gさんの正面にある花火、暗くて持ち主の顔がよく見えない。

(こいつ、一体誰だ?)

疑問に思った瞬間、六つの蕾となった火玉がボタリと砂に落ちた。

「楽しかったね~」

Gさんの隣に座っていた女友達がスマホの明かりを点ける。

やはり、全員で五人。Gさんの正面には誰もいなかった、ということだ。

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