第2話 新聞
昭和の話だ。
Bさんは眠い目で朝刊を眺めていた。目に留まったのは訃報欄。
そこに古い友人の住所と名前が載っていた。もちろん、自分と同じ年齢の享年。
掲載されている個人情報はまさに友人を指し示している。
何人もの別の友人に電話をかけて聞いてみたが、たしかにその友人が数日前に難病で亡くなったという。
信じられないといった表情で受話器を置いたBさんは、自室の戸棚からアルバムを取り出すと、一枚の写真を手に取った。
そこには、小学生のBさんと一緒に写る子どもがひとり。
それは、交通事故で亡くなる前日にBさんが朝刊の訃報欄に載っている友人と撮ったツーショット写真だった。
「じゃあ、ここに俺と写っている奴は、いったい誰だっていうんだ?」
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