第3話 ネット掲示板

その日もまたCさんは削除依頼を管理人へ送信した。

彼が好きなゲームの情報を交換するネット上の掲示板群。

そこの話題ごとに存在する掲示板のひとつに、彼の名前と出身高校が書かれているのを見つけたからだ。

とはいえ、彼が珍しい名前だということはない。

毎年300人前後が卒業する母校は50年以上の歴史がある。

その中に同姓同名がいないとはいい切れない。

したがって削除依頼を出すわけだが、一両日もすると消されているので、彼は満足していた。

だが、ある日のこと。

依頼を出した直後に管理人から返信があった。

「これは貴方のことではないので削除対応しません」

その本文に添えられたファイルは、Cさんがパソコンに向かって机に座っている様子を真後ろから写した画像だった。

驚いて後ろをゆっくりと振り返るが、そこには誰もいない。もちろん、隠しカメラなどは見つからなかった。

その後、気持ち悪かったので、何年もそのサイトを訪れなかった。

それからさらに何年後か、Cさんはふとあの掲示板を開いてみた。

すると、あれだけあった話題の掲示板群がひとつだけになっていた。

「探し人」

彼はそれをクリックしてみた。

そこには、自分の写真がベタベタと貼られ、居場所を教えてくれた方には謝礼を……と書いてあった。

怖くなってすぐにブラウザを閉じた彼だったが、もう一度確認のためにサイトにアクセスすると、データーがないため表示できない旨のエラー文が表示された。

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