第34話 王武祭 決勝戦
王武祭三日目
今日は決勝戦と表彰が行われる
ヴォルフガング
「さて、今日は決勝戦」
「ようやくこの日が来た」
「では、行くとしよう」
そう言って、闘技場に上がる
闘技場に両者揃い、決勝戦が始まる
審判
「王武祭本選、最終戦」
「始め!」
ヴォルフガング
「時は来たり、死屍累々の
キアン
「剣を振るい、弓を引き、魔の旋律を奏でる」
ヴォルフガング
「我等剣士は剣を持ち、剣を振るい、剣で殺し、剣で死する」
キアン
「それこそ剣士の
ヴォルフガング
「今、時は来たり」
キアン
「我等、弓を捨て、魔を捨て、剣を振るう」
ヴォルフガング
「今こそ、我等が本懐、為し遂げる時也」
キアン
「いざ」
そう言ってキアンが、居合の構えを取る
ヴォルフガング
「尋常に」
そう言って私も、居合の構えを取る
ヴォルフガング&キアン
「勝負!」
そう言って
両者が同時に地を蹴り、同時に剣を薙ぐ、刃が重なり、両者ともに刃を押すようにして距離を取る
そして、流れるが如くに私は脇構えを取り、
キアンは八相の構えを取る、
そして、両者同時に地を蹴り、距離を詰め、私は上に、キアンは下に向けて剣を振るう、
刃が重なる瞬間、私はキアンの剣を弾き、
体勢を崩したキアンが素早く距離を取る
そして、そこから数刻、剣を重ね続け、
観客に限界が迫る頃
私がこのように言葉を発した
ヴォルフガング
「いやはや、楽しいの」
「しかし、そろそろ観ている方が限界じゃ」
キアン
「であらば、最後に互いの最大の剣技を」
ヴォルフガング
「良かろう、では、参ろうか」
キアン
「そう致しましょう」
そう言って両者距離を取り、
居合の構えを取る
私はこう言って、地を蹴る
ヴォルフガング
「Schwertfähigkeiten《剣技》, Schwert töten《殺しの剣》, Das Wolfsschwert, das den Einsamen tötet 《独殺狼剣》」
キアンはこう言って、地を蹴る
キアン
「Schwertfähigkeiten《剣技》, Wächterschwert《守護者の剣》, Wächterschwert, das Feinde tötet 《敵殺護剣》」
殺しの剣と守護者の剣が重なり、最終的にキアンの剣が斬り飛ばされる
その後、両者が剣を鞘に納める
キアン
「良き戦いで御座いました」
「降伏致します」
審判
「キアン=レギオン=ハイヤー=ワシントン辺境伯令息の降伏宣告により、勝者ヴォルフガング=トリスタン=オイゲン=ハイドリヒ伯爵閣下」
ヴォルフガング
「実に良き戦いであった」
「次回も良き戦いを期待している」
キアン
「では、また後ほど」
ヴォルフガング
「うむ」
そう言って両者闘技場を出る
そして、その後、表彰が執り行われる
表彰は優勝者の国の王、又は皇帝によって行われる
評議国の場合は評議会議長が行う
ローグ=ランド=ファーロード=スレン国王陛下
「ヴォルフガング=トリスタン=オイゲン=ハイドリヒ伯爵よ」
「此度の戦い、実に良きものであった」
「ここにこれを認め、この者が王武祭に於いて、優勝したことを周知する」
「これにともない、報奨を与える」
「何が良いか?」
ヴォルフガング
「謹みまして、申し上げます」
「陛下、私は、報奨として、陛下の忠臣としての御立場を頂きたく存じます」
「故持って、此度の勝利、陛下に献上致します」
ローグ国王陛下
「そうか、有難い事だ」
「では、其方の学院卒業の後、軍務卿に任ずる事を我が名に於いて約束する」
ヴォルフガング
「有り難き幸せ」
そうして、表彰が終了し、王武祭は閉幕となった
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