第18話 会話

屋敷ごと塵を掃除し、シルラ辺境伯とフレイア公爵、フィリアと合流した私はシルラ辺境伯らと今回の件で話していた

グラン

「ヴォルフ、今回の件原因はどこにある」

ヴォルフガング

「私です」

「少し前から私に対する明確な殺意が向けられていることは気付いておりました」

「しかし何かされても返り討ちにするだけだと考え、取り敢えず放置していました」

「その結果がこれです」

「気付いた時に確実に始末しておけばこうはならなかったと思います」

グラン

「そこまで分析できているなら」

「分かっているな?」

ヴォルフガング

「はい」

「来週の日曜にある舞踏会これを発表の場とさせて頂こうと考えております」

「その時重ねて私に敵対した場合、必ず死をお贈りすると伝えるつもりです」

グラン

「お前の守るべき者はお前が守れ」

「いいな?ヴォルフ」

ヴォルフガング

「はい、私はそのために鍛練を続けています」

グラン

「よし、ならばこれ以上私から言うことはない」

ロンメル

「では私から少し」

「私は君を認めている」

「だから君が援軍を求めれば必ず行く」

「その代わりと言ってはなんだが」

「フィリアを、我が娘を必ず守って欲しい」

ヴォルフガング

「お任せください」

「必ず守り抜いて見せます」

「私が守るべき者なのです」

「私が心の底から愛する者なのです」

「故に私は例え我が身朽ち果てようとも」

「守り抜いて見せます」

フィリア

「ねぇヴァル」

「前にも言ったはずよ?」

「私は貴方が倒れる姿なんて見たくないと」

「言ったはずなのだけれど」

ヴォルフガング

「あぁ、そうだったな」

「私が倒れることはない」

「君が私に敵として現れない限りは」

「私が倒れることは絶対にない」

「いまここで誓うよ、フィリア」

フィリア

「誓いを果たしてね、ヴァル」

ヴォルフガング

「あぁ」

「Iuro in gladium meum et duos lupos 《我が剣と二頭の狼に誓う》」

ロンメル

「私が言いたいことはもうないよ」

「二人の時間を楽しむといい」

「じゃあ、日が落ちる前に帰るんだよ」

そう言ってフレイア公爵がこの場を離れる

グラン

「必ず守り抜けよヴォルフ」

ヴォルフガング

「はい」

「お任せください」

それを聞いてシルラ辺境伯もこの場を離れる

そして、その場で少し話した後、私もフィリアと共に帰るのだった

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