第11話 学院生活 二時限目

一限目が終わり、二十分の休憩時間となっていた

ヴォルフガング

「さて仕事の続きをしようか」

そう言って書類を出しペンを持つ

フィリアの席には数名の生徒が集まっていた

キアン=ワシントン

「フィリア嬢、ヴォルフガング殿はあのようにいつも仕事をしてらっしゃるのですか?」

フィリア

「ええ、仕事だけではなくて鍛練も欠かさずやっているけれどずっと何かしらやってるわね」

「正直倒れないか心配なのだけれどね」

キアン=ワシントン

「ならばフィリア嬢」

「貴女がそれを伝えれば良いのでは?」

フィリア

「一度言ってあの状況だからね」

「どうしようもないのよ」

キアン=ワシントン

「何故そこまで職務を優先するのでしょうか」

フィリア

「彼曰く、伯爵である限り仕事と責任はなくなることはないのだと」

キアン=ワシントン

「貴族としては正しいのでしょうね」

フィリア

「貴族としてはね」

「でもそれで自分が倒れては意味がないわよ」

キアン=ワシントン

「その通りですね」

「おやそろそろ二限目が始まりますね」

フィリア

「二限目は何だったかしら」

キアン=ワシントン

「剣術ですよ」

フィリア

「じゃあ私は見学ね」

「貴方はやるのよね?」

キアン=ワシントン

「ええ、剣術ですから」

フィリア

「一つ助言」

「彼との手合わせは避けるべきよ」

キアン=ワシントン

「ええ、存じております」


ヴォルフガング

「そろそろ二限目だな」

「終わったのは八分の二か」

「まぁ仕方あるまい」

「行くかね」


訓練場

ライア=ランカスター

「よし、お前ら、二限目は剣術だ」

「まずはあれを斬ってもらう」

そう言って丸太を指す

キアン=ワシントン、ヴォルフガング、この二人以外の生徒がどよめく

キアン

「最初は何をやるのかと思えば丸太を斬るだけか」

ヴォルフガング

「藁の方がまだ手応えがあるのだがなぁ」

ライア=ランカスター

「自信のあるものから始めろ」

キアン

「ハイドリヒ伯爵閣下、先はお譲り致しますよ?」

ヴォルフガング

「ふっ良いだろう」

深く息を吐きながら軍刀を出し居合の構えをとる

そして地を蹴り丸太へ向かって振り抜く

そして刀を鞘に納める

キアン

「流石ですね」

「あの一瞬で五回も斬るとは」


ヴォルフガングの斬った丸太は六等分になっていた

ヴォルフガング

「次はお前だ」

キアン

「ええ、ワシントン辺境伯家の剣術、御照覧あれ」

そう言ってキアンは八相の構えをとる

そして地を蹴り上から斜めに振り抜く

ヴォルフガング

「お前も流石だな」

「飛ぶ斬撃か」

キアン

「貴方もできるでしょう?」

ヴォルフガング

「できるがその辺の剣士にゃできん」

「剣士としての努力の賜物たまもんだ」

キアン

「貴方にそう言われると嬉しいですね」

「剣帝殿」

ヴォルフガング

「ふっ そうかい」

その後他に丸太を斬ることができたものはおらず二限目は終了した

ライア=ランカスター

「三限目は二十分後だ遅れるなよ」

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