第2話

 ある日、こんな大馬鹿者がいた。

それは、マルニスルンのパクリ商品であるシカクニスルンを作った男だ。彼は、あろうことかシカクニスルンを地面に大量に撒いた。実は彼は、犯罪に転用する目的でシカクニスルンを作ったのであった。

 すると何が起こったか。地球が四角くなってしまったのである。

 人々は地球を丸に戻そうと騒ぎ始めた。マルニスルンが飛ぶように売れていった。

 しかし、マルニスルンは大量生産できないし、地球を丸に戻すほどの効果はない。

 そこで、僕は地球を丸に戻すため、大急ぎでのスーパーマルニスルンの開発に追われた。

 まずはパクリ商品シカクニスルンの研究だ。

 ……なるほど、これはこういう仕組みで……

 僕は天才発明家。僕の手にかかればスーパーマルニスルンを開発することなど容易い。

 やがて、スーパーマルニスルンは完成した。すぐに、人々は大量のスーパーマルニスルンを地面に撒いた。

 するとどうなったか。

 地球は丸くなった。確かに丸くなった。しかし、おかしな風に丸くなった。

 スーパーマルニスルンは少し効果が薄かったようで、地球はハート型になってしまったのである。

 確かに、丸い。が、球ではない。

 僕は再び、研究に追われることになった。キュウニスルンを作るのだ。

 しかし、ハート型になって良い影響もあった。

 なぜか、人々は仲良くなったのである。互いに愛を持って接し、愛でいっぱいの地球になった。争いはなくなり、平和になった。

 人々は喜んだ。いつの間にか、僕のスーパーマルニスルンは平和の薬、愛を増やす薬と呼ばれるようになった。

 結局、丸が良いか四角が良いかの論争は、ハート型が良いという結論で終わった。

 しかし一体、何が起こったのだろうか。

 僕は天才発明家だが、科学者でもある。僕はこの謎を解きたくて解きたくて仕方なくなった。

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丸と四角はどちらが良いか? 泡盛草 @Astilbe

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