二人の人生が織りなす旋律は、やがて美しい曲となる。
- ★★★ Excellent!!!
音楽を聴いて心が揺さぶられるのは、きっと誰かの感情が直に伝わってくるから。
言葉も音楽と同じ、本来他人に伝わるはずのない感情を伝える事ができるもの。
この話には、ヨハネス・ブラームスという偉大な作曲家が出てきます。
彼はある女性に大恋愛をしたものの、生涯独身のまま叶わぬ恋心を抱き続けていました。
初めて彼の交響曲を聴いた時。
はじめ、あー楽器の音が綺麗だなぁとか、なんてきれいにメロディーをつなげるんだろう、とか思っていたんですが、楽章が進むにつれて美しい旋律から感じ取れる気持ちや楽章を超えた曲を通しての物語に私の感情はもう、ぐちゃぐちゃになっていました。
違う人生を歩んで来た人間同士が影響し合い、憧れ、妬み、嘆き、恋い焦がれ、叶わぬとわかっていても愛する。
使うのは言葉でも、この小説は壮大な交響曲のように直に感情を揺さぶります。
物語は美しくも切なく、とてもじれったくもありますが、全て読んでの感動はとても私が生み出す言葉で表現するには足りません。
美しい表現力で紡がれた物語をぜひ直接、ご自分で感じてみてください。
どうしても感想が書きたくなり書き殴った結果、レビューなのかどうかもわからないものになってしまったことをお詫びいたします。