異世界科学者〜俺が0から文明作り出す〜

ゅぎ

プロローグ

 21世紀の地球、日本・東京にある名門大学の研究所で、若き天才科学者・池田いけだ玲央れおは、ある壮大な実験に挑んでいた。

 彼の目指すのは「物質の瞬間移動」。いわゆる「テレポーテーション」の実現だ。


 この技術は、量子力学のもつれ現象を応用し、物質を分子レベルで瞬時に転送するというものだ。前代未聞の挑戦に、多くの期待とプレッシャーが玲央の肩にのしかかっていた。

 その彼の目的は交通革命を起こすこと。——誰もが瞬時に移動できる未来を作る――そのためには、膨大なエネルギーと精密な理論が必要だった。


 何年にもわたる研究の末も、成果は思うように進まず、焦燥が研究室に漂い始めていた。資金提供者や政府関係者の厳しい視線、メディアが煽る過剰な期待――それらはすべて玲央の肩に重くのしかかり、彼の心をじわじわと蝕んでいた。


 だが玲央は諦めなかった。

彼には確信があった。いや、必ず成功させて見えるという強い意志が。


 しかし、彼の研究チームの中には、玲央の成功を妬むものや、彼の理論に疑問を抱くものもいた。

 その中で最も危険な人物だったのが、

 彼の右腕として一番彼と親しく長年共に研究をしていた霧夜音きりよね れんであった。



 蓮:「怜央、お前の理論は確かに魅力的なものだと俺も思う。しかしあまりに危険だ。もし失敗すれば我々のキャリアだけではなく、ここにいるすべてのチームメイトの命まで消えてしまうかもしれない。そんなのは君も望んではいないだろう?」


 玲央:「確かに危険なことは承知しているさ。だが、それを恐れていては科学の進歩はない。蓮、お前だってこのプロジェクトに命を賭けてきただろう?」



 だが,蓮にはもう一つ狙いがあった。彼は長年、玲央の影に隠れ、玲央の成功を自分だけの物にしようと画策していた。

 彼は研究の出資者の一部と、玲央には隠れて裏取引をしており、

実験が失敗すれば玲央を失脚させ、その功績を横取りしようとしていた。



 蓮:( 玲央、お前は確かに天才だ。だがその才能のあまりに危険だ。お前の成功は俺の失敗を意味するんだ。俺には、もうこれ以上後がないんだ…… )


 名門大学に隣接する最新鋭の研究施設。その中心部、冷たく輝くモニターが並ぶ広大な実験室で、玲央は深夜の静寂を破るように計器を操作していた。

 その夜、玲央が1人研究室に残り、最後の実験を決行しようとしたその時、蓮が密かに装置に細工を施す。彼は、玲が失敗するように設定を狂わせ実験の結果が制御不能にするように仕込んだのだった。



 蓮:「これでお前は終わりだ、玲央。お前の失敗で、俺が全て手に入れる…」



 深夜、すべての準備を整えた玲央は、最終確認を済ませ、いよいよスイッチを押す。彼は蓮に関して何かに気づいたようなそぶりをしたが、それを深くは考える余裕はなく、そのまま実験を開始した。



 玲央:「これが、俺のすべての努力の結果だ…絶対に成功させてやる‼︎」



 しかしその瞬間、装置の制御パネルが赤い警告を表示する。

エネルギーの出力が限界値を超えたのだ。想定外の強力なエネルギーフィールドが発生し、玲央の周囲に渦巻き、警報が鳴り響く。



 玲央:「なんだ、このエネルギーは!? 」



制御パネルが警告音を発し、装置の計器が次々とエラーを示す。急いで停止操作を試みる玲央だが、装置は反応しない。



———————もうすでに手遅れだ———————


 玲央:「制御不能だと!? くそ、早く止めないと……!」



 だがその時、玲央は気づく。装置に仕掛けられた細工を。全て蓮の裏切りによるものだったということを。



 玲央:「これは…蓮、お前が…!」



 強烈な光が視界を白く染め、玲央の意識は途切れた。

そして再び目を開けた時、目の前に広がるのは全く知らない場所だった。澄んだ空の下、見たことのない植物が茂り、異形の生物も見受けられる。そこには、不自然な静けさが漂っていた。


 玲央はすぐに状況を理解しようとするが、自分がどこにいるのか、なぜここにいるのかが全くわからない。唯一確かなことは、ここは地球ではない。彼がこれまでの世界から切り離され、完全に未知の領域にいるということだった。


 動揺した心を押さえつけ、玲央は新たな世界での生存と,元の世界に戻るための方法を模索し始めた。



玲央:「蓮…お前の裏切りを許さない。必ず元の世界に戻り、お前に復讐してやる……」



 こうして玲央の異世界での壮大な科学の物語が始まった。

彼は科学の知恵を駆使し、この新しい世界の謎を解き明かし、そして裏切り者への復讐を企てるのであった……

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