夜散歩

散歩した。

歩く度に見えてくるのは人ではなく電柱だけ。

比較的人が少ない地域に住んでいるからこの時間帯に外に歩いている人は少ない。

地面と向き合い会話もせず歩みを進める。

公園だ。

昔のことを思い出して過去にばかり振り向いてしまう。

本当にやめてくれ。


少し道路から外れ自然が少し目立つ道に出た。

静かな道。


俺は周りを見渡し道に寝転んだ。


なんて気持ちいいんだ。

微風

美しい空

夏を感じない澄んだ空に写る星々


シャッターを何度もおろし、脳のアルバムに保存した。


だが虫が俺のことを邪魔する。

まぁいい。

虫が居なかったら俺はあそこで寝始めてたかもしれないし。

はぁ。

1人、孤独、静けさ。


俺は1人が好きなんだなとつくづく思う。

人と今まで関わってなかったら俺の人生はなんて美しい芸術品に昇華していたのかね。

もうやり直せないけどもさ。

いかに美しかった人生に見せるかしかもうできない。


良い経験をした。

定期的にこうやって、空を見上げて空と睨めっこしたい。

相手は笑わないけど。

俺は少し微笑んだ。

この空に比べれば俺の悩みなんて小さい。

あ〜あ。

生きててよかったよ。


産んでくれてありがとう。

羊水に浸ってるだけの人生になりたかったけど。

感謝してるよ。

でももっと愛して欲しかったな。

いや、きっと愛してくれていた。

俺の欲が糞なだけか。


家にそそくさ帰り四角い箱を被り、仮想の世界に浸る。


まだ人生長い。

頑張ってみよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

山田将樹 ヤマノカジ @yAMaDied

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る