殿様
ある日、殿様が城下町に来るという知らせが広がった。
住民たちは父親たちを集めて話し合う。
「誰の娘が一番美しいか」
その家に盛り塩をする。
盛り塩は結界の意味もあるが、この時代では別の意味合いの方が強かった。
馬の好物である塩を家の前に盛ることで、疲れた馬はその塩を舐めるためにその家の前で立ち止まる。
その時に家の中にいる美人を見れば、殿様も足を止める。
そうして一家の繁栄を狙う手段でもあったのだ。
話し合いの結果決まった1つの家にのみ、盛り塩をすることにした。
翌日、殿様は城下町を歩いた。
住民たちの読みどおり、盛り塩をした家の娘は殿様に気に入られた。
だが、殿様が足を止めた家はもうひとつあった。
その家の前には立派な刀が置かれていた。
殿様に連れられてその家に立ち寄った馬は、中にいる雌馬をさぞかし気に入った。
そうして殿様は、1人の娘と2頭の馬を引き連れて城へと戻っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます