ボンッ

キッチンから聞こえたその音で目を覚ました。

...やってしまった。

具材を鍋に入れて弱火で30分。

待っている間にウトウトしてしまった。

夜ご飯をどうしようか考えながらキッチンへ向かう。

火を止めて、おそるおそる鍋の蓋を開ける。

真っ白な煙の中に、卵がひとつ入っていた。

さっき混ぜた具材に卵は無かった。

不思議に思っていると

...ピシ

卵にヒビが入り、やがて小さな龍が出てきた。

うえええええ？！？！

当たり前だ。

少し手間が込んだ夕飯が、今やドラゴンなのだから。

それから数ヶ月で、ドラゴンは死んでしまった。

食費や鱗の手入れなど、大変なことはたくさんあったが、それもいい思い出だ。

お別れの前に、2人分の夕食を作るため、鍋に具材を入れ、強火で5分

ボンッ

またやってしまった。

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