お金は人を狂わせる

ある貧しい国にある村の少年がお金を育てる方法を発見した。

やがてその村ではお金が育てられ、生活に困るものはいなくなった。


ある日、噂を聞きつけた王が村を訪れた。

村人は親切にお金を育てる方法を教え、王は国民にその方法を伝えた。

すると至る所で金のなる木が育ち、その国でお金の価値は無くなってしまった。


一方で国民は物々交換で生活するようになった。

より良いものを作り、より良いものと交換するため、王も含め皆働いていた。


農業を営む者はより良い食物を。

家を作る者はより頑丈な家を。

剣を作るものはより鋭い剣を。

ともに技術を教え合い、学び合っていった。


やがて国が豊かになった頃、噂を聞きつけた他国から貿易の要求が殺到した。

それぞれの国が大金を積んで交換を要求した。

しかし、

「どんなものでも同等の価値のものであれば交換いたします。」


同等の価値のものを、出せる国は無かった。

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