本当

「風鈴の音を聞くと涼しく感じるらしいぜ」

同じクラスの友人が言ってきた。

「今日俺ん家で実験するから来いよ!」

そう言って走って帰っていった。


半信半疑でその友人の家に行き、2階へと上がる。

どうやら既に数人が集まっているようだ。

ひと通り宿題を終え、友人が本題の風鈴を取り出し、優しく揺らす。


チリンチリン-


確かに涼しく感じる。

そのまま揺らし続ける。


何かおかしい。


風鈴の音とともに少しづつ下がっていく室温

徐々に凍っていくジュース

いつの間にか吐く息も白い。


友人の母が上がってくる。

風鈴の音が下まで聞こえていたようだ。

階段を上がる荒い音が近づくごとに肝まで冷える。

扉が開くと同時に怒鳴り声が響く。


そのとき外に、雷が落ちた。

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