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「”1月1日、晴れ、新年にふさわしい良い天気。1月2日、国王陛下万歳、参賀は今年も人が凄い、リシリーに肩車を断られる”」


開いたノートの上でテオは手帳を開いていた。


「あら、父はその様なことまで日記に?」


「ええ。この2日の参賀と言いますと」


「毎年2日は王宮の一般参賀に。父も貴族の端くれでしたから、5日の仕事始めには陛下に謁見するのですが。父が私だけ陛下にお会いできるのはズルいと家族全員で2日は参賀へと行くのがしきたりのようでした」


「ようでした、というのは」


「父が行方不明になってからは1度も…… 私も幼かったですし、うっすらと記憶にあるばかりで」


「そうなんですね」


「私も見様見真似で手を振ったのを覚えているのですが」両手を前に突き出し手を振る仕草をする「この記憶が一般参賀のものかどうかも定かでは無く」


「なるほど」と言ったテオが手帳の開いたページを斜め読みしていく「リシリー3歳、身長90センチほど。今年中に1メートルか」


「あら。そんなことまで」言うと頬を少し赤らめた。


そんなリシリーの表情を見たテオが「おっと、すみません」と言い手帳を閉じる「特に変わった所はなさそうですね」と手帳をテーブルに置きノートに視線を落とした。


「やはり、こちらを先に調べましょうか」

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