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「にゃあ、準男爵が消息を立ったのは辞めてから1年だったか」


「そうだね。彼女も言ってたよ、汚職の真相究明がもう少し早ければ父も行方不明って事にはならなかったかもって」


「彼女ってのは…… 準男爵の娘さんかにゃ?」


「ああ、そして今回のお兄さんの音信不通」


「にゃるほど。2ヶ月程度なら連絡が取れない事ぐらい普通だろ、とも思ったが」


「少し気になるだろ?」


「にゃ。で、その日記とやらはいつの物にゃね」


「準男爵が辞職してからの訳1年間だそうだ」


「ふむ。では、消息を立つ直前の日記にゃ」


「ああ、そして彼女曰く一度目を通して欲しい、兄が音信不通の理由がわかれば教えて欲しい。とね」


「なにかわかったのか?」


「全く」


「にゃんだそりゃ」


「彼女にも伝えたが…… なんというか、とりとめのない日記だったろう?」


「にゃあ、全てのページを見たわけではにゃいが。そうだったにゃあ、天気がどうとか、友人がどうとか、国王様がどうとか、10年以上前だから先王陛下か」


「だが、状況的に音信不通になった彼女の兄は日記を見ていた」


「ん? そういえば音信不通なのはコンダッシェ家の長兄か?」


「そうだったと思うけど。知ってるのか?」


「にゃあ。海軍に長期遠征中の部隊があったがそこの所属だったんじゃにゃいか?」


「あら? 」


荷造り済の箱の横のネコがにゃあと鳴いた。


「これにて一件落着にゃ」

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