第10話:そして結ばれちゃったふたり。
「だから陽介・・・それが嫌なら、嫌って言って」
「私、なにも言わずに身を引くから」
「俺は檸檬の過去に
「檸檬のそう言う気持ち逆効果だよ・・・俺さ、今とっても檸檬のこと好きに
なっちゃってるんだ」
「いいの?」
「あのさ檸檬、人は人に偏見を持っちゃいけないんだって思うよ俺は」
「それが俺の本音・・・」
「檸檬の過去のことが俺たちが別れなきゃいけない理由にはならいだろ?」
「本当に?・・・・・・いいんだよ、気を使ってくれなくても」
「だから、気にしないって言ってるだろ?」
「じゃあ、いいの?・・・私でいいんだね」
「そうだよ、檸檬しかいないの、今の俺には」
「だからこれからも、なにも変わらないから・・・いい?」
「うん、分かった」
「それよりさ・・・俺たち付き合い始めてもう一ヶ月じゃん」
「そうだけど・・・?」
「さっきも言ったけど・・・俺たち中学生の恋愛じゃないんだから、いつまでも
プラトニックな関係って不自然だと思うよね? 」
「あ〜さっきの続き?、私が話を止めちゃったから・・・」
「それで?」
「だからさ・・・俺たちもう恋人なんだからさ・・・・そのぉ・・・」
「もう一ヶ月も経ってるわけだし・・・」
「なに?・・・なにが言いたいの?」
「あのさ・・・そのね?」
「もう・・・はっきり言って?なに?」
「いつまで待てばいいのかなって思って・・・」
「なにを?・・・なにを待つの?」
「エッチ・・・」
「え?・・・エッチ?・・・ああ陽介、もしかして私とエッチしたいの?」
「それって恋人なら普通の欲求だろ?」
「檸檬が未成年ってこともあったから今まで我慢してたけど、もう限界」
「なんで言わなかったの?」
「だってダメって言われたら、また当分我慢の日が続くだけだと思って・・・」
「あはは・・・私としたかったのにずっと我慢してたの?バカね〜」
「私より陽介のほうが面白い・・・もう子どもみたいなんだから・・・」
「でも今日からはもう我慢しなくていいよ」
「だって、檸檬、未成年だし、女子高生だし・・・それって淫行だし」
「古い・・・今時、そんなの関係ないって」
「陽介・・・来て・・・ハグしてあげる」
「チューもおまけにつけてくれたら、おしっこチビるほど嬉しいかな」
「分かった、じゃ〜ハグとチューセットでね」
そしてその夜、とうとう陽介の希望は檸檬によって叶えられた。
もう我慢しなくていいんだ。
「君のすべてが見たいから、明かりはつけたままするね」
って陽介は檸檬に言った。
「薄暗い中でお互いが見えないって楽しくないだろ」
って。
檸檬は、最初恥ずかしがったけど・・・陽介の希望を受け入れた。
陽介も檸檬もセックスに関しては、はじめての経験じゃなかったけど
陽介は檸檬との初セックスは、とても新鮮なものだった。
彼にとって、これまでの経験は愛情のないセックスだった。
心の底からしたいと思った人とのセックスは檸檬が初めて。
切なさと愛おしさが入り混じった感情・・・陽介は年下の檸檬に甘える
ように彼女を求めた。
檸檬は精一杯の愛情と包容力で陽介を包み込んだ。
どっちが年下でどっちが年上なんだか・・・。
陽介にとって檸檬との愛の営みは夜のしじまの中に深く溶けていった。
つづく。
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