ハッピー・デイ4

 与鷹とクロだった。


「それじゃあ、得られた情報を共有し合いましょう。まずは俺から」


 与鷹が立ち上がる。


「九部の主人公は……ジョディオ・ジョースター」

「うわーマジかー、それは思いつかなかった」


 クロがキングベットの上で転がる。


「ジョジョとディオを混ぜたような名前。明らかに何かを意図していると考えられます。もしくは特に意味はないか」

「ありそうで思いつかない名前だ。で、スタンドはわかっているのか?」

「『十一月の雨』と書いて『ノーベンバー・レイン』と読みます」

「ガンズ・アンド・ローゼズか」

「スタンドは上半身から四本の細い足が生えていて、まるで蜘蛛のようでした」

「なに⁉︎ 人型ではないのか⁉︎ それではオラオラができないではないか⁉︎」

「落ち着いてください。おそらくなにかしらでオラオラします」

「まあそうだな」


 二人は何故か確信していた。


「能力は、スタンドの下に雨を降らせる能力だと思われます」

「雨を降らせる? 主人公がそんな能力でいいのか?」

「よく聞いてください。ただの雨ではありません。その雨に当たった人は、まるで月面のように、クレーターのようなものが身体中にできていました。」

「クレーター。それはとてつもない威力なのではないか?」

「ええ、その通りです。喰らった警官は気絶していました」

「ディ・モールト! 変な能力だ!」

「これからどう戦っていくのかが楽しみです」


 二人は頷きあう。


「では、次はこちらだ」

 

 クロは二本足で立ち上がる。


「主人公は大富豪を目指している」

「……大富豪? ギャングスターじゃなくて?」

「ああ、しかも麻薬を売っていた」

「ま、マヤッ、麻薬を⁉︎ そんなの五部の逆じゃないですか!? 」

「ああ、しかも大富豪というとディオを想起させる」


二人は静まり返る。


「ジョルノの一巡後(一巡後とは分かりやすいから言っているが、正しくは〇,五巡ぐらいである)だと思っていましたが、大分ディオ成分が多いですね。麻薬を売ってる主人公とか大丈夫なんですかね?」

「麻薬は一線超えてる感があるからな。大丈夫だとは思うぞ。それに九部は色々、大丈夫なのかというネタがいくつかあった」 

「たとえば?」

「主人公には兄弟がいる」

「七部以来ですね」

「最初はお姉ちゃんだと思ったよ」

「それはどういう……?」

「人類の夜明けになるかも知れん」


 二人はその後、好きなスタンドは何かという議題に花を咲かせた。

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