君の死は五百円で買えたのか
チャイム研究会
君の死は五百円で買えたのか
仲はいいけど、実は嫌いなあの子。
「えー、今日はなんか前髪巻きすぎたの?変だね」
笑いながらそんなことを言ってくるところとか、私の好きな人だってあの人のこと紹介したらすぐに話しかけに行って。マジで死ね。
何も面白くないわ。
私の誕生日を一番最初に祝ったのはあの子だった。早寝早起きしかできないって言ってたのにわざわざ、日付が変わるまで起きていてくれたんだって。
寝惚けて誤字だらけのメッセージ。その前の履歴は、宿題を写させてくれって内容だったのに。
そんなことを思いながら、塾の授業を終えると、外は土砂降りの雨だった。台風だってことは知っていたのに、傘を持ってくるのを忘れた。
塾の友達は家族の迎えで、車に乗って優雅に去った。
今の時間帯だと誰も家にいない。私はダメ元であの子に連絡を入れた。
「いいよ〜」
そう書かれたうさぎのスタンプ。ビニール傘を買ってきてくれるみたいだった。
ようやく来たあの子は、ビニール傘を掲げて雨の中を走って――車に轢かれた。
あああ、痛かっただろうに。
赤かっただろうに。
私が傘なんて頼んでなけりゃ、この子は助かってた。まだ暖かい部屋でゆっくりご飯を食べて。
君の死は五百円で買えたのか。君の命は。
私が今まで悩んだ甲斐もないじゃんか。五百円で死んでくれたの??今までのはなんだったのよ、早く死になさいよ。
君の死は五百円で買えたんだろ。
君の死は五百円で買えたのか チャイム研究会 @sannsei999
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