『趣味なんて人それぞれ』


 五月上旬。放課後。

 雑談部部室にて。


「暑い……暑すぎるわよ、南国の夏」


 長机にぐでんとだらしなくへばりつきながら、汐音は嘆きの色を浮かべていた。

 県外出身の汐音にとって、南国特有の蒸し蒸しとした暑さは初めて体感するものであり、結果として致命的に耐性がないということが判明した。

 全身からとめどなく汗が吹き出してくるだけでなく、着実に体力までもが蝕まれていく。恐るべし、南国の夏。

 聞くところによると、エアコンの運転が始まるのは五月下旬から。

 つまりもうしばらくは、この成す術のないじっとりとした暑さが続くということ。


 ……地獄か、ここは。


「五月はまだ春だけどなー」


 完全にダウンしてしまっている汐音に、斜め前の席に座る真尋がシャツの胸座をパタパタと前後させながら応じる。


「まぁ、暑いってのは心の底から同感だが」


 今日はここ最近で一番気温が高いせいなのか、真尋も額に汗を滲ませながら疲弊した様子だった。

 しかしながら、全員が全員滅入っている、というわけでもないようで。


「気温が高いというよりは、湿度が高いって感じですよね、南国の夏――じゃなくて、春って」


 そう気遣わしげに言ったのは、紬季。

 彼女は暑さなど意に介した様子もなく、涼し気な顔でぴんと背筋を伸ばしていた。

 一滴の汗も滲んでいない彼女に、汐音はどこか羨望の眼差しを向けて、


「どっちもどっちよ。蒸し風呂じゃない、こんなの。天然サウナよ、天然サウナ」

「蒸し風呂とサウナは厳密には別物らしいですけどね」と紬季。

「ちなみに六月は梅雨入りも相まって、今とは比べ物にならないくらい蒸し暑くなるぞー。覚悟しとけよ、凪咲」

「うへぇー……今から憂鬱だわ……」


 雑談部一同(特に汐音)が世界の力にひれ伏す中、ぱたんと教科書を閉じた雑談部部長こと三澄蒼央が、唐突に口を開く。

 彼も特に暑さに屈した様子はなかった。


「……よし。今日はみんなで趣味の話でもしてみましょうか」

「……趣味?」


 長机に体を委ねたまま、汐音は蒼央の方を向く。


「はい、趣味です」


 蒼央はこくりと頷いた。

 そこに、


「なーんかありきたりな話題チョイスだな。これぞ雑談って感じの」


 と苦笑しつつ、真尋。


「どちらかと言えば、お見合いって感じですけどね」

「あー、言われてみれば確かに。そっちの方がしっくりくるかもな」


 蒼央の指摘に、真尋はうんうんと頷いている。


「でもよく考えたらわたしたちって、お互いのそういう話、あんまりしてきませんでしたよね。かれこれ一ヶ月くらいは一緒にいるのに」

「「確かに」」


 紬季の言葉に、真尋と汐音がハモる。

 汐音が再度、蒼央へと視線を向けると、


「つまりそういうことですね」


 蒼央はにこりと微笑んだ。


「せっかく縁あって同じ部活に所属しているんですし、たまにはお互いを掘り下げてみるのもいいかなー、ということで」

「それでまずはお互いの趣味について話し合おうってことね」

「はい」


 汐音は体をもそりと起こしながら、


「あたしは別にいいわよ」

「俺も別に異論はない」

「わたしも全然大丈夫です。皆さんの趣味も聞いてみたいですし」


 部員たちの了承が得られ、蒼央は「じゃあ正式に決まりってことで」と再度微笑む。

 そして、


「まぁ別に、皆さんの同意がなくても強行突破してましたけどね。他にこれと言って話題なんてありませんし」

「五月時点で話題に事欠いてる雑談部って、どうなのよ……」

「個性的、ですよね」

「アイデンティティと引き換えに、だけどね」


 お先真っ暗もいいところだった。

 何はともあれそういうわけで、本日は『趣味』について話してみることになった。


「じゃあまずは言い出しっぺの三澄からよね」


 いつものように、汐音が場を仕切り出す。


「なんかありきたりな会話進行なのが若干気に食わないですが、まぁいいでしょう。僕から話させていただきますよ、仕方なく。……はぁ、やれやれ」

「普通にウザいからやめなさい、そのキャラ」

「あ、はい」


 そして蒼央はこほんと咳払い。


「ではまず僕の趣味の話からですけど……」


 むーんとしばらく首を捻りながら、やがて蒼央はからっと言った。


「これと言って特にないかもです」




「「「じゃあなんでこんな話題持ってきたんだっ(のよっ)(ですかっ)!」」」




「いや、別に『俺っち、趣味とか全然なくてさぁ~。いわゆる無趣味ってやつ?』とか気取ったことを言いたいわけじゃなくてですね」


 雑談部一同から総ツッコミを受け、蒼央はわたわたと慌てて弁明を始める。


「なんと言いますか、その……考えてみたら、僕が今まで趣味だと思っていたものに、実はそんなに熱量高く取り組んでたものなんてなかったと言いますか。趣味と言うほどのものなのかなーって、ふと思い直しちゃって……」

「あ、それはなんかわかる気がします」


 蒼央の言葉に、深く頷いたのは紬季だった。


「なんというか、あれですよね。ちゃんと好きだとは思っているし、積極的にその行為を求めている自分がいることも自覚しているんですけど……でも、いざ趣味かって問われると、そんなに高尚なものでもないような気がするというか。好きは好きだけど、だからこそ簡単に趣味とは言えないというか。そもそも趣味のハードルって、漠然とですけど、なんか高い気がするというか……みたいな話ですよね?」

「え、全然違いますけど」

「全然違うんですかっ⁉」


 紬季は羞恥に顔を赤らめて、俯いてしまう。


「嘘です。冗談ですよ、安里さん」

「なんでそんな無意味な嘘吐くんですかっ!」

「……え、習性?」

「著しくコミュニケーションに支障をきたしそうな習性ですね!」

「修正した方がいいですかね?」

「した方がいいと思います、一般的には」

「まぁそんなこと言われても無理なんですけど。これ後天的なものなので」

「じゃあいちいち聞かないでくださいよ!」

「……てへぺろ☆」

「あ、可愛くないです、普通に」

「……」


 すんっ、と真顔になった蒼央は「話を戻しますけど」と前置きをして、


「まぁ、ほとんど安里さんの言った通りですね」

「つまり二人が言いたいのは、他人を凌駕するほどの圧倒的な熱量で取り組んでいるわけでもないから、趣味として口にするのは烏滸がましいんじゃないかってこと?」

「まさしく」「ですです」


 汐音の簡潔かつ明瞭な要約に、蒼央と紬季は二人して首を縦に振る。

 すると、


「あんたたち、めんどくさいわね」

「「うぐっ」」


 さらりと放たれた「めんどくさい」という忌憚ない言葉に、胸を押さえて呻く蒼央と紬季。

 そんな二人に、さらに追い打ちでもかけるように、


「俺もそれ思った。お前ら結構めんどい性格してんな」と真尋。

「「ぐびびびびびっ」」

「どういう悶え方なのよ、それは」


 電撃を浴びたように小刻みに体を震わせて、終いにはぐったりと机に伏してしまった二人に汐音は小さく嘆息する。

 そして手をひらひらとさせながら、


「別に誰もそんなに深く考えてないと思うわよ、他人の趣味のことなんて。だから浅かろうが深かろうが、好きの度合いがどうであれ、本人が好きでやってるものは総じて趣味でいいのよ。熱量とか気にする方が馬鹿らしいわ」

「まぁでも、明らかに自分より精通してる奴がいる前では恐れ多くて趣味とは言えない、みたいな感覚はぶっちゃけわかるけどなー」


 真尋が苦笑交じりにフォローを入れてくれたおかげで、蒼央と紬季はゆっくりと体を起こす。

 それを確認してから、


「そういうのも踏まえた上で、もう一度訊くわね」


 汐音は改めて切り出した。


「三澄。あんたの趣味は?」

「読書、ゲーム、雑談、投擲、音楽を聴く、アニメ鑑賞、散歩、ランニング、投擲、お笑い鑑賞、あと投擲……ですかね」

「結構あるわね!」


 汐音は思わず叫んでいた。


「そしてちょいちょい挟まってる『投擲』って何⁉ 一体何を投げるの⁉」

「……匙を?」

「そんなものを趣味にカウントするな!」


 常日頃、どれだけ物事を見限っているのだろうか。


「じゃあ竹槍とか?」

「戦国時代出身かあんたは!」

「次点でクリームパン」

「食べ物を粗末に扱わない!」

「えーっと……本当は隣人宅に爆竹を」

「自首してきなさい、今すぐに! 交番、学校出てすぐそこにあったでしょ」

「むぅ……やっぱり難しいですね、趣味の話って。匙投げです」

「お手上げみたいに言ってんじゃないわよ」


 ただ言葉を交わしていただけなのに、汐音は息も絶え絶え、疲労の色を浮かべていた。

 これ以上、蒼央との問答には付き合っていられない。体力的にも。

 汐音は平静を取り戻すと同時に、今度は真尋の方へと向き直る。


「じゃあ次、西銘。あんたの趣味は? できるだけまともな回答でお願い」

「んー、俺の趣味ねぇ……」


 頭の後ろで腕を組み、ぷらんぷらんと椅子を弄びながら真尋はしばし思案する。

 そして、言った。


「ま、俺は普通に体を動かすことかなー」

「普通ね」

「普通ですね」

「真尋くんらしいですね。好きです」

「なんでちょっと残念そうなんだよ、蒼央以外の二人」

「意外性なんて欠片もない男、西銘真尋。正直、幻滅したわ」

「ちょっと予想通り過ぎて面白みに欠けますよね」

「わかってないですねー、二人とも。そこが真尋くんのいいところなんですよ」

「蒼央はちょっと黙ってろ」

「ええ……なんで僕だけ……」


 真尋は「はぁ」と溜息をつきながら、じっとりと汐音を睨む。


「できるだけまともな回答をって言ってきたのお前だよな、凪咲」

「いや、まぁそうなんだけどね……」


 汐音はばつが悪そうに微苦笑を浮かべながら、


「でも、こうも普通だと、その……言っちゃなんだけど、ちょっと反応に困るっていうか……」

「んなこと言ったって普通こんなもんだろ、高校生の趣味なんて」

「まぁ、それもそうね。西銘なんかに期待したあたしが愚かだったわ。ごめんなさい」

「それは俺に対して失礼だろうが」


 高校生の趣味なんて、たかが知れている。時間的にも金銭的にも。

 バリエーションに富み始めるのは、余裕が生まれる大学生以降のことだろう。


「ってなわけで、つまらなくて悪いが、俺の趣味は体を動かすこと。つまりは――」

「夜の」

「――運動だな」


 真尋の首がぐりんと曲がり、隣の蒼央の方を向く。

 蒼央は視線を窓際に逸らして、


「ひゅ~、ひゅっ、ひゅ、ひゅ~♪」


 と下手くそな口笛を吹いていた。

 その背後に音もなく、アサシンの如く接近した真尋は、躊躇なく絞首。


「く、苦しい! 苦しいです真尋くん! く、首! めっちゃ絞まってるから!」

「凪咲、俺の趣味追加。蒼央への暴力」

「受理するわ」

「凪咲さん⁉」

「存分にやっちゃってください、西銘くん!」

「安里さんまで⁉ え、ちょっと。僕一応この部の部長なんですけど⁉ え、ちょ待って真尋くん、あの、本当に落ち、る……」


 くたり、と意識を失う蒼央。

 真尋は「ふぅ」と額の汗を拭い、達成感に塗れた顔で自分の席に着いていた。

 白目を剥いて椅子の背もたれに体を委ねている蒼央をそのままに、何気ないトークは進行していく。


「じゃあ次は紬季ちゃんね」


 話題の矛先は紬季へと向いた。


「はい! 待ってました! ようやくわたしのターンですね!」

「紬季ちゃんは……」


 キラキラと瞳を輝かせている紬季から、汐音はふっと目を逸らした。


「どうせゲームよね。うん知ってる」

「どうせ⁉ 何ですかその予想通り過ぎてつまらないみたいな言い草は! 西銘くんと一緒にしないでください!」

「火の粉が見事に俺んとこ飛んできやがった」


 抗議の声を上げる紬季に、「でも、だって……ねぇ?」と汐音は真尋に視線を向ける。

 同意を求められた真尋は、こくりと頷いた。


「まぁこう言っちゃなんだが、安里はある意味俺と同じくらいわかりやすい部類だと思うぞ。普段の言動から、ある程度趣味嗜好割れてるしな」

「で、でもでも、ここまで来たら聞いてくれたってよくないですか? もしかするとわたしの趣味がゲームじゃないって可能性も、あるかもしれないですし!」

「ないわね」「ないだろ」「ないと思います」

「三澄くんまで!」


 いつの間にか意識を取り戻していた蒼央にまでぴしゃりと否定され、紬季は遂に自棄になり、憤慨する。

 ばんっ、と長机を叩きながら、


「ええ、そうですよ! わたしはゲームが好きですよ! 好きすぎて夢の中ですらゲームに勤しんでるくらい、わたしはゲームが好きですよ!」

「もはや中毒ね」

「それが何か問題でも⁉ 文句あんのかこん畜生!」

「この子、あれよね。感情が昂ると露骨にキャラ変わるタイプよね」

「『こん畜生!』なんて台詞をまさか安里の口から聞く日が来るなんてな」


 すると蒼央が流れに便乗して語り出す。


「実は僕、安里さんと出会って間もない頃は、安里さんのことずっと淑やかで人見知りな方なのかなと思ってたんですよね。いわゆるザ・清楚枠的な感じの」

「あー、なんかわかる気ぃするわ」

「まぁ、今となっては見る影もありませんけど」

「何言ってるのよ、三澄。夜遅くまでゲームに没頭するような子が、清楚枠なわけがないでしょう? 廃人枠ならいけるかもしれないけど」

「何気に一番失礼ですよ! 汐音さん!」


 未だ憤激している紬季をよそに、


「ふむ……ってことはつまり、安里さんは清楚枠(笑)ってことですね」

「勝手に清楚枠にされた挙句馬鹿にされるって、どういう仕打ちですか!」

「清楚枠(笑)」

「なんで復唱するんですか! 西銘くん!」

「殺戮破壊兵器(マジ)」

「三澄くんはわたしを何に仕立て上げるつもりなんですか⁉」

「人知れずオス篭絡娘(前科あり)」

「無いですよ! なんてこと言うんですか汐音さん!」

「本人に自覚なし(たち悪)」

「汐音さん!」

「雑談部の愛されマスコット(非公認)」

「言うならせめて公認してくださいよ、部長!」

「色素は薄いが、我は強い(儚いとは一体)」

「西銘くんのバカ!」

「俺だけストレート過ぎるだろ」


 雑談部の面々に精神的に蹂躙され、紬季は更に声を荒らげる。


「もういいです! みんな嫌いです! 雑談部なんて、雑談部なんて……」

「「「雑談部なんて?」」」

「ええと、その……ちょっと部の予算削られればいいんです!」

「根が凄く優しくていい子だから、悪口も甘口なのよねー、この子って」

「もっと悪辣なこと言えばいいのにな。例えば、『部長は今すぐ退部してしまえばいいのに!』とかさ」

「真尋くん、それはもしやあれですか。『仕事を辞めて、俺の扶養下に入ってほしい』と……そういうことですか?」

「違ぇよ。どうなってんだお前の思考回路」

「あら、私にもそういう風な言い回しに聞こえたけれど」

「なぁ凪咲、俺なんかお前の気に障ることしたか? なんでそんなに敵愾心向けてくるわけ?」

「ふむ、真尋くん。その提案ですけど……ぶっちゃけやぶさかではないです」

「そこはやぶさかであってくれよ」

「これからも末永くよろしくお願いします」

「同性同士の結婚は法律上無理だぞ、今んとこ」

「けっ。これだから多様性に配慮できない社会ってのはいけねぇ」

「そもそもお前ストレートじゃん。配慮する必要性皆無だろ」

「なら国外に行きましょう。そしたらワンチャンありますよ?」

「お前は早く俺がワンチャン求めてないことに気がついてほしい」

「二人で幸せになりましょうね」

「幸せってなんなんだろうな」

「はいそこ、隙あらばイチャイチャしない」

「凪咲、お前もちゃっかり薪くべてたよな? なぁ?」


 ぱんぱんと汐音が手を叩き、会話が本筋に立ち返る。

 今日は一応、『趣味』というテーマのもと、会話を進めてきた。

 大分と脱線している気もするが、ともかく。


「一応一通り、みんなの趣味については聞いたわね」


 それぞれ振り返ると、蒼央がなんか色々+投擲、真尋が運動、そして紬季が案の定ゲーム。

 多少関係のない話に花が咲いたものの、ともあれ『趣味について話す』という当初の目的は達成できただろう。

 本当に趣味について話してるだけで、肝心の一個人の深掘りは微塵もできなかったけれど……それはまた別の機会にということで。


「それじゃあ今日の部活はここまでってことで――」


 汐音が締めに入ろうとしたところで、


「いいえ、まだですよ」と蒼央。

「? まだって何が?」


 小首を傾げて見せると、


「まだ、凪咲さんの趣味について聞いてません」


 蒼央の言葉に、真尋と紬季も頷いていた。


「そういえば、そうね」


 汐音は呟くや否や、腕を組んで唸り出す。


「あたしの趣味、ねぇ……」


 考えたところで、パッとは浮かばなかった。

 蒼央が「特にない」と口にした理由が少しだけわかった気がした。

 考えてみると、自分の趣味ってなんだろう。そう思ってしまう。


 ――最近、一番楽しみにしてることでも言ってみようかしら。


 すると不思議なことに、それはすぐさま脳裏に浮かんだ。


「あたしは……そうね」


 汐音はふっと柔らかく微笑んで。


「ここでみんなと話してることかしらね。それがあたしの趣味ってことで」


 それが嘘偽りない本音だった。

 雑談部で過ごす時間こそが、汐音の趣味。

 最初は入部すら渋っていたのに、おかしな話だ。

 けれど好きになったのだから、しょうがない。

 その心からの言葉に、


「そりゃあまた光栄なことだな」と真尋。

「そう?」

「はい。汐音さんの趣味になれて、わたしはとっても光栄です」


 紬季まで笑顔を向けてくる。

 汐音はなんだか気恥ずかしくなり、俯きがちに目を伏せながらぽりぽりとこめかみを掻いていた。

 そのタイミングで、




「え、何言ってるんですか? 凪咲さん。ここで話してるのは、あくまでも部活動の一環ですけど……?」




 案の定、蒼央だった。

 一同、むーんと口を噤む。

 そんな部員たちの様子など気にした素振りもなく、


「で、凪咲さんの本当の趣味って?」


 真顔で、とても澄んだ表情で訊いてくる蒼央に……汐音は真っ赤になって叫んだ。




「趣味なんて人それぞれでしょうがっ!」




 趣味なんて人それぞれ。好きの度合いも人それぞれ。

 三者三葉で、みんな違ってみんないい。

 部活動が趣味だって、きっといいのだ。

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ざつだん部っ!(笑) 温泉たまご @ontama03

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