第58話 トンネル工事を始めました


「さてと。始めますか!」


ルナが、トンネル工事の邪魔に為ってる岩盤帯の前に立ち、虚空錬金術式を発動させる。


一瞬で、陣が形成されて黒い球体に為ると、目の前の壁に向かって進む。


少しすると、球体の中からインゴットが落ちてくるのを、アイザック達ドワーフ族がキャッチする。


「ルナの嬢ちゃん。この感じで行くと、どれくらいで反対側まで行けそうじゃ?」


「う~ん……。品質保証なしで混じりっけを気にしないで、24時間フル稼働で10日も在れば?


エリスも加われば、5~6日で行けると思うけど?」


「アダマンタイトと、オリハルコンの層は、良くても10メートルくらいだぞ。」


「ここって、アダマンタイトとオリハルコン以外にも、色々と混じって鉱石類が埋まってるから。私たちも、文句ないんだけど。


製作場ファクトリーに戻ってから、再錬成し直して純度を上げればいいだけだし。」


言ってる側から、オート作業で黒い球体から、インゴットが次々と落とされていく。


それを、一生懸命に運搬するドワーフ達。


さて、何でこんな状況に為っているのか。


事は、ビートがアベル宅に来た日の翌日。


ルナが、アイザック達の工房にインゴットを降ろしに行ったときに。


アベルが、トンネル工事の邪魔に為っている、硬い岩盤の事をアイザックに聞いたところ。


その岩盤地帯が、アダマンタイトとオリハルコンだと言う事を聞いたからだ。


なにせ、アダマンタイトとオリハルコン。余りにも硬度が高いので、通常は炎魔法で超加熱しながらの生成だと言う。


が、何分。トンネル内では、炎魔法を使うと、使った側にも高熱の被害が出るし、酸欠に為ってしまうので手詰まりだと。


地道に手堀で行くと、軽く100年は超えてしまう。


そこで、思いついたのが、ルナ達の使う虚空錬金術式。


どうせ、途中まで掘って放置してるのだから問題ないだろうと(大問題です)アベル、ルナ、アイザック、ジョシュアの4人で飛翔の絨毯で飛んでいき。


ルナが虚空式錬金術式を使って試した所。


案外アッサリと、岩盤を掘削できることが分かる。


「ふむ。混ざり合ってはいるが。アダマンタイトとオリハルコンだ。」


アイザック達の、お墨付きを貰ってからの行動は早かった。


トンネル近くの村に、ルナとアイザック達を残して、アベルが製作場ファクトリーに戻り、2日かけて他のドワーフ達を乗せて往復する。


人数が整ったらトンネルに向かい。


今の状況が出来上がった。と言う訳だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る