第42話 気合を入れ過ぎました

レイジと、コーウェル神父が、王都に向けて準備をしている時。


肝心のアベル達は何をしていたか。


アベルは、ルナとエリスの錬金の素材集めを。


ルナとエリスは、アベルの為に錬金を。


ブレない夫婦であった。


正確にはエリスは妻ではないが。


もう、否定するのも面倒な状態なので、最近は否定すらしていない。


そして、いよいよ王都へ向かう前日と為った。


ルナとエリスから貰った、紙に書かれている付与効果を見て。


レイジは、アベルの新たな装備を見ながら盛大に溜め息を吐いていた。


「なあ、アベル。」


「はい。」


「何と戦う気なんだ?」


「さあ?」


【閃光の剣】:ルナ作

〈付与効果〉

攻撃力倍加

身体強化     52%

攻撃力増加    68%

身体能力上昇   48%

攻撃速度上昇   47%

竜族特攻     大


【星光の革鎧】:ルナ作

〈付与効果〉

身体強化     46%

身体能力上昇   42%

衝撃吸収効果   68%

対魔法軽減効果  58%

体力自動回復効果 大

人族攻撃軽減効果 大



【精霊の指輪】:エリス作

〈付与効果〉

精霊の加護    風

風属性付与    超

状態異常耐性   78%

自動回復効果   65% 


【精霊の首飾り】:エリス作

〈付与効果〉

精霊の加護    樹

樹属性付与    超

危険察知     大

保護障壁     特





ルナとエリス。2人が気合を入れて、超高いテンションで錬金した結果がコレだった。


もはや、国宝級を通り越して、神秘級ミスティックどころか伝説級レジェンダリーに手が届く所まで来てしまっている。


レイジが頭を抱え込むのは仕方がない事。


騎士団中隊に、喧嘩を売って良い勝負できるレベル。


商業大陸組合プラントライセンスで言えば、超級下位か、特級上位に相当するのだから。


「いやいや。ははははははは!」


笑い飛ばすコーウェル神父。


「コーウェル神父……。笑い事じゃないぞ……。」


「ははははは! いやいや。良いじゃないですか!アハハハハハ!」


レイジとは違って、コーウェル神父は上機嫌だ。


「いやはや。さすがに、この装備を見て、喧嘩を売ってくるバカは居ないでしょう。」


「そりゃ、そうかも知れませんがね……。」


「むしろ、中途半端な付与効果の物よりは遥かに良いです。


しかも、錬金術式は、まだ中級。


その上の、上級も在るのですから。


その上に、精霊の加護まで付いている装備です。


教会のバカどもも、口出しは難くなるでしょう。


アベルくん。その装備で行きましょう。」


「あ、はい。」


「まあ、その装備なら。剣聖や剣豪クラスなら何とでもなるか。」


「さすがに、謁見の間に入る前に、剣は預ける事になりますが。


鎧とアクセサリーだけでも、十分だと思いますよ。」


コーウェル神父の言葉に、レイジの胃に穴が空くのは避けられたようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る