第26話 エルダートレントと出会いました

妖精の森クエスト最終日。


ミト、コト、リトたち妖精に。


ダメ元で、エルダートレントが居る場所を聞いてみた。


すると知ってた。


だけど、討伐してはダメだと言われた。


何故かと理由を尋ねたら。


妖精の森のエルダートレントは魔物モンスターではなく。


魔物モンスターから、森の守護者に昇格したエルダートレントと言うことだ。


魔物モンスターの昇格?と尋ねたところ。


魔物モンスターが、精霊の庇護下に入る事で、魔物モンスターがではなくなり。


知性を持つ事が出来ると。


対話が可能なら、取引できるのでは?と思い。


ミトたちに頼んで、エルダートレントの所まで案内をしてもらっている。


『おや、珍しい。人族の方が、何の御用かな。』


老人の声で、アベル達に問いかけるエルダートレント。


高さは、50メートルは在ろうかと言う巨木で、幹の所に顔が浮かんでいる。


「初めまして、エルダートレント殿。


私たちは、クエストで、エルダートレント殿の身体の1部の枝を所望しております。


もし宜しければ、エルダートレント殿の枝を幾本か分けてくださいませんか。」


そう言って、頭を下げて礼を取るビート達。


『う~む。別に枝くらい分けるのは構わないのだが。


そうじゃのぉ~。 交換条件で頼まれごとを頼んでも良いか?』


「私たちに出来る事なら。如何様な事でしょうか?」


『最近は、木が増えすぎてしまってのう。


老木が増えすぎて、若い木々が育たぬで困っている。


儂の枝が欲しい時で良いから。森に来た時に間伐かんばつを頼まれてくれんか?』


「それは、定期的に、私たちにエルダートレント殿の枝を譲ってくれると?」


『その通り。そうじゃのう。


うむ。そこの妖精たちの帽子の色の旗を作って掲げて来るがよい。


そうすれば、儂の元に辿り着けるようにしよう。』


「それだけだと、真似をされてしまう恐れがあるので、他の対策も必要かと。」


アベルが言う。


『確かに……。』


「僕たちの誰かが、一緒に着いて来るぅ~!」


「「くるぅ~!」」


『妖精の子たちよ。お前たちは、それで良いのか?』


「「「いいよぉ~!」」」


『ふむ。ならば、早速で悪いが。間伐かんばつを頼まれてくれるか?


どの木を切るのかは、儂が指示するので。』


エルダートレントの指示に従い、間伐かんばつする木を魔法を使って切っていく。


ベルンは、火炎剣で剣士ソードマンのスキルを使いながら切っていくので。


エルダートレントすら、苦笑の表情を浮かべていたのは気のせいではない。


20本ほどの木を切り倒したところで、エルダートレントから終了の言葉が出た。


時間にすれば、1時間ほどだ。


「このくらいで良いのですか?まだ切れますが?」


ビートが訊ねると。


『なに。そこまで急いでいる訳でもない。


人族の成長は速いが。 木の成長には時間が掛かる。


切った樹木は、欲しければ持って帰っても良いぞ。


ここらの樹木は、人族たちには価値のあるものだと聞いておったが。』


「では、遠慮なく。持ち帰れる量だけ持って帰らせていただきます。」


『少し離れてくれ。約束の、儂の枝を落とすから。』


エルダートレントの言葉に従い、エルダートレントから少し離れていると、エルダートレントが身体を揺する。


すると、上部の枝たちが揺れて、大ぶりなエルダートレントの

枝が6本落ちて来た。


『もっと要るか?』


「いえ。十分です。 もし必要と為ったら、またその時に貰いに来ます。」


『うむ。その時は、また間伐かんばつを頼むがの。


ハハハハハハハハッ!』


「はい。友好な関係を結べて感謝いたします。」


ビートが礼を述べる。


「すいません。エルダートレント様。一つ質問を宜しいですか?」


『構わんよ。』


「エルダートレント様は、精霊様の庇護下に入っていると聞きました。」


『入っておるよ。 儂は木の精霊ドライアドの庇護下に入っておる。』


「実は私の妻が、錬金術師アルケミストなるものを生業としておりまして。


その錬金の材料として、精霊石と言うのを探しております。


もし、ご迷惑でなければ、精霊様と言葉を交わしてみたいのですが。


無理でしょうか?」


『少し待ってくれ。』


幹の顔の瞳が閉じて、エルダートレントの動きが無くなる。

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