第25話 中級錬金術開放しました

アベル達が、妖精の森に向かった翌日。


ルナと、エリスは、中級錬金釜と中級錬金陣の制作の準備に精を出していた。


ルナが、アントワネリーとシャリアに声を掛けて、魔力を注ぐ時のサポートを頼み。


エリスは、材料の選別と調達。


調達と言っても、スカーレットの所で素材を取ってくるだけなのだが。


 * * * *


「それでは。アントワネリーさん。シャリアさん。


宜しくお願いします。」


エリスが、2人に向かって頭を下げる。


「任せてくれ! 2人の錬金術には世話に為ってるんだ。」


「はい。魔力を注ぐだけでいいならいくらでも。」


笑顔で答えるアントワネリーとシャリアなのだが。


その、注ぎ込む魔力の量と質が、尋常ではないのを自覚していないのが質が悪い。


なにせ、2人とも。2級目前のライセンス持ちなのだから。


「私も、微力ながら頑張っちゃいますねぇ~。」


スカーレットも、袖をまくりながら言う。


何気に、6等級のスカーレット。


ルナが錬金釜の前に立ち。


その横に机を置いてエリスが錬金陣を広げる。


ルナに左手。エリスに右手を当てるのはアンネ。


アンネの後ろにシャリア。その後ろにスカーレット。


「準備できたぞ。」


「私も。」


「OKだよぉ~。」


錬金釜(錬金陣)初級。蒸留水。中和剤虹。祝辞の水。コラム原石。


「「お願いします。」」


ルナとエリス。二人揃って声をあげる。


合図と共に、アンネが。シャリアが。スカーレットが魔力を放出し始める。


ルナは釜を混ぜ。エリスは陣の上で手をこねる。


5分が経過して、釜と陣が光を発する。


輝きが収まると、釜はくすんだ銀色の釜に。


陣も、同じく、くすんだ銀色の模様が。


「銀?」


金の釜から、銀の釜にランク落ちしたのかと。マジマジと眺めるアンネ。


「違いまよぉ~。これ、銀じゃなくて、ミスリルですねぇ~。」


「「「「ミスリル!?」」」」


ルナ、エリス、アンネ、シャリアが驚く。


「はい~。釜にも陣にも、魔力が宿ってますねぇ~。


ミスリルは、何度か取り扱ってますのでえ~。間違いないですぅ~。」


【中級錬金釜】品質:最上級


【中級錬金陣】品質:最上級


それと同時に、ルナのスキルボードが新たに解放され。


エリスのスキルブックも解放されていた。

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