第5話 結婚しちゃいました
宿から出て、教会に向かう。
そうそう、泊まった宿は、そういう行為をする宿だったのが救いだった。
安宿で、イチャコラ行為をしてると、出入り禁止になっちゃうからね。
教会に向かう途中の細工店で、安物の銀の指輪を2つ購入。
収入が安定したら、もっと良いのに買い替えよう。
なにせ、今は二人揃って失業中。
しかも、俺たち2人は孤児のため。
この
辛うじて、シグルートに出稼ぎに来ている地方出身者。と言う扱いなのだ。
大抵の市民権の無い人は、
なので、
もちろん、その逆も
* * *
現代で言えば、
人材派遣と受け取ってもらえれば。
* * *
なので、今の俺たちには後ろ盾が何もないっ!
街中の店で、雇って貰う事も出来ない方が普通だ。
罪を犯したら、重い軽いに問わず、一発で犯罪奴隷落ち。
昼前の教会に入ると、中には中年の神父さんが1人。
この教会。割と小さい教会で、孤児院は併設していない。
「どの様な、ご用件でしょうか?」
朝の礼拝も終わり、昼前の中途半端な時間に来訪した俺たちを見て言う。
「結婚の祝辞をしていただけたらと思いまして。」
礼をして言うアベル。
「ご結婚ですか。それは、おめでとうございます。
式を挙げる予定ですか?」
「いえ。 予算も無いし、家族も居ないので。祝辞だけを、お願いしたいのですが宜しいでしょうか?」
「ええ。ええ。 構いませんよ。」
嫌な表情も見せず、笑顔で答えてくれる中年神父。
「今からでも?」
「もちろん。どうぞ、こちらに。」
そう言って、壇上の魔に手招きする。
「このまま、祝辞を始めますが。宜しいですか?」
「「お願いします。」」
アベルと、ルナの声が重なる。
「それでは。お二人のお名前を伺っても。」
「アベルです。」
「ルナです。」
「それでは。 敬愛なる神の御許で。 汝アベルは、隣人ルナを妻とする事を認めますか?」
「はい。認めます。」
「汝ルナは、隣人アベルを夫とする事を認めますか?」
「はい。認めます。」
「夫アベルは、妻ルナを生涯護ると誓いますか?」
「はい。誓います。」
「妻ルナは、夫アベルに生涯寄り添い支えると誓えますか?」
「はい。誓います。」
「では。指輪を、お互いの薬指に。」
アベルとルナ。 お互いに、相手の左手の薬指に指輪を嵌める。
「愛の
「「誓います。」」
「愛の
私、コーウェルが、アベルとルナの2人に神からの祝辞を代弁します。
お二人とも。 末永くお幸せに。」
そう言って、アベルとルナの額に、人差し指と中指を揃えてあてる。
「これで、2人は夫婦に為りました。」
ニコリと優しい笑顔で言うコーウェル神父。
「「有難う御座います。」」
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