第2話 アベル

「アベルって誰ですか?」

「俺は勇者って呼ばれることがあります」


 勇者?勇者召喚しちゃった?しばらく固まっていると。部屋のドアが開いた。


「セシル!ご飯持ってきてあげたわよ!おかゆだけど……ってこの人誰?!」

「ああ、ミレーユ。この人はアベル。僕が召喚したんだ」

「アベルです!よろしくお願いします!」


 ミレーユが部屋に入ってきた。


「召喚?!初めましてアベルさん。私はミレーユっていいます。よろしく。って召喚ってなによ!」

「スキルにガチャってのがあって使ったらアベルが出てきたんだよ!」

「だとしたら困ったわね。ここ孤児院だからアベルの部屋無いわよ」


 しまったアベルの居場所がない。しかたないがアベルには出て行ってもらおう。


「アベル、部屋が無いようだから孤児院から出て行ってくれないか?」

「はっ!わかりました!冒険者でもやって宿に泊まります!それでは!」


 アベルは孤児院から出て行った。冒険者か僕もやってみたい。


「アベルさん、かっこよかったわね。はいおかゆ」

「いただきます」


 僕は味のついてないおかゆを食べた。まずい。


「おいしかったよ」

「そうでしょ、私が手伝ったんだから」

「そっか、ありがとう」

「そろそろ治ったのなら、客室から出て団体部屋に移動しなさいよね」

「起きたら移動するよ、おやすみ」

「おやすみ」


 明日はどんなガチャが出るだろうか。

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