第7話おじい様からのメッセージ
<その7>おじい様からのメッセージ。
私には。小さな秘密があります。
それは。ときどき。見た夢が…あたることです。
ときどきです。いい夢は少ないです。
反対に。ちょっと。なんで?…っていうふうな。変な。どうしてっ?て。
そんな。変わった夢を……見るんです。
この。これから(お話)する…私の夢も。
そんなふうな……。
ちょっと。いえ。とても。変な感じのする…夢でした。
……それは。先生の(おじい様)が。帰った夜でした。
めずらしく。早く帰ってきたパパと一緒に。
その日は。家族四人で…夜ごはんを食べたんです。
みんなが大好きな…カレーでした。わ〜い。
パパ。大食いで。大きなお皿で…(おかわり)しちゃって。
チョッピリ出た(お腹)を…ね?
ポンポンたたいて…満足そーでした。ふふ。
で…パパね。パパのお仕事。
(工作機械メーカー)って言う…大きな工場で働いてます。水色の作業服です。
で…機械や工場のこと。
めちゃめちゃ…くわしーんですっ。
でも。でもでも。パパね?…いっつも。
「ねえ。ママあ?…なんぷ〜ん?」って…聞くんです‼︎
電子レンジで。何分…あっためれば?
いろいろ。ご飯の(おかず)とかが…おいしくできるのかな〜って。
……ほんと。何年たっても。わかんないそーです。
だから。ママっ。ため息しちゃって。
(もおお……)って。ちっちゃな声で。私とクララに言います。
私もクララも。(そのとーり)だって。顔の表情で…大賛成します。
3体1で…パパの負けですっ。ふふ。
で…ママね?
お仕事。今は…してません。
けど…おウチにいるけど。いっつも。いそがしく…バタバタ動いてます。
ソファーにゴロンして。
ふうぅ〜〜。…っていう時も。たまあに…あってね。
「ララあっ?」「〇〇やってえ?」とか。
「クララあ?」「〇〇手伝ってえ?」とか。
二階までとどく…おっきな声で。
アレやりなさあいっ。コレやりなさあいっ。言うんだけど……。
そういう時は。ですねえ?
おっきな声でハキハキとっ。「はあーーっい‼︎」…って答えます。
……するとママ。静かになります。
そんなママ。私もクララも…大好きです。
あと。お友達が遊びにきた時に。たまあに。お友達から言われること。
「ララのママっ。美人でいーなあ?」…って。
ふふ。私もクララも…そう…思います。(じまん)のママです。
お化粧すると?…もっと。美人に変身します。ん?
ママ。私が小学校に入るまでは。
となり町の(宝石店)で…働いていたんだそうです。
今でも好きらしくて。
雑誌やネット。見てはニッコリ。ニッコリ…しています。うん。
そんなママ。大好きですっ。あと。パパも…大好きですっ。ふふ。
クララと二人で…お風呂はいって。あがって。ドライヤー…かけ合ってたら。
もお。ほんとに。もお……眠くなってきて。
あしたの準備もしないで。もお……寝ちゃったんです。
……そして。夢を。みました。
満月の夜。校舎の屋上の床に。
(うつ伏せ)でたおれてる。未確認先生を発見して。
私だけ。かけよって。先生え?先生え?って叫んでる。
先生。起きてくれなくて。
満月の白い(月あかり)が。ヒンヤリ。怖かった。
たおれた先生の左手に。
食事用のカプセルと小箱が。散らばってて。
それをスズメたちが…つついてて。
たおれた先生のまわりには。
天秤ばかりと。豆石と小袋が。散らばってて。
それをスズメたちが…つついてて。
私だけ。かけよって。先生え?先生え?って叫んでる。
先生。起きてくれなくて。
満月の屋上は。白い(月あかり)が。ヒンヤリ…怖かった………。
……次の日。水曜日の朝。
ちゅんちゅん。チュンチュン…♪。
ちゅん。ちゅんチュン。ちゅんチュンちゅんチュン…♪。
ちゅチュちゅチュちゅ。ちゅチュちゅチュちゅチュちゅん♪…‼︎
まだ6時半…少し前でした。
クララも。両目が?…(さめてた)みたいで。
二段ベットの上からね。下の私に言ってきたんです。
クララ「お姉ちゃ〜ん?」「おきてる?……」
わたし「うん。おきてる」「うるさくてっ。スズメっ……」
クララ「おかしくない?」「スズメって。こんな鳴き方…するう?」
わたし「こわいよね?……」「なんびき?…何羽いるんだろお?」
クララ「見てみよっかっ?」「お姉ちゃん。見てよっ。お願あい?」
わたし「もお。わかった……」
もお。もお。これです。いっつもです。
クララの作戦は(わかって)るんだけど。
やっぱり私が。先頭を切って?…(走る役目)をするんです。もお。
わたし。(寝ぐせ)の髪を…なでなでしながら。
空色のパジャマで。空色のカーテンを開けたら。窓の外は……。
朝日がキラキラ…朝色でした。
その。キラキラの朝色の中。小さいカワイイ。5〜6羽の…スズメたちなら?
まだ…いいんです。それで…普通だから。でも?
……ちがいましたっ。
(30)くらい。わ。いましたっ。スズメの大群でしたっ。
いえ。40?50羽?ぐらいかも…しれません。
家の庭にある。まだ(小さな)桜の木に。花がちった後の桜の木の…枝に。
茶色のスズメが集団で。仲良くとまって。合唱の発表会のようでした。
窓を開けたらっ。
ますます。大合唱がひびいて来ちゃって。
もーねっ。ちゅんチュンちゅんチュン…うるさくてうるさくてっ。
クララも不安そうに?
私の横に(くっついて)きて。窓から下を…ジッと見てました。
……と。その時です。
キラキラの朝日が。
三角の(つばさ)に反射して。ますますキラキラ…キラキラしながら。
ヒュルルル。ルル〜ン。ひゅるるるる〜〜〜ん……と。
……黄色い紙飛行機が。飛んできたんです。
この。誰でも知ってる。一度は作ったこと…ある?かな?
かんたんな。普通の紙飛行機がね?
朝早い。ヒンヤリ空気に乗っかって。
どっから来たのか。どっから飛んできたのか。その時は…わかんなかったけど。
風に負けないで。
ヒュるるる。ルルッ…っと。空から来て。
私とクララの目の前で…止まったんです。空中でっ。
私もクララもね。あんまし…おどろかなかったなあ。
だって。これって。なんかの(れんらく)…(メッセージ)だと。直感したからです。
なんの不思議も…なく。そう。思ったんです。
空中で浮いてる。黄色の。(宇宙便)紙飛行機を取って。のばしてから…読んだんです。
こんなことが…書いてました。
***
ララさん。クララさん。ありがとう。
おウチまで行って。迷惑じゃ…なかったかな?
おじい様です。
子ども学校時代を思い出し。なつかしかったなあ。
もし。生まれ変われたら。もう一度。学校の教師になりたい?
ワタクシは。もう。百歳の…おじいさんです。残念です。
本当はね?
一緒に行った孫に。子ども学校の教師になってほしかった。
けどなあ。もお。この星じゃ…学校は無い。無理なんだよ。残念。
あなたたちが。うらやましい。
元気で。楽しそうで。明るくて。未来があって。
ララさんとクララさんの地球には。学校がある。希望がある。
あなたたちは。いい時代に…生まれたんだよ?
素直になりなさい。
前に歩きなさい。
そして。あなたたちの星を…地球を。大事にしなさい。
それでは。元気でね。さようなら。
ああ。もう一つ。
なんかなあ。ワタクシ。体調が悪くなってしまった。
咳はでる息切れはする。(めまい)もするし。
こっちの医者が言うには。
そちらの。地球の空気が合わない…らしい。
あとは。こっちには無い。そちらの地球…だけの(ばい菌)が。
体内に入った可能性が…あるらしい。
まあ。安全な。(宇宙抗菌薬)…飲んで行ったから。
死ぬことはない。心配せぬように。
それよりも。
そっちの孫は。いつまで…いるのかな?
宇宙抗菌薬。飲んでるはずだが。どうなんだろう?
もしも。もしも…飲んでなければ。危険な事になるかもしれない。
早く戻りなさい。そう。伝えてくれませんか?
お願いしますよ?
***
おじい様からの。(宇宙便)紙飛行機の…メッセージでした。
時計は6時半。スズメの大群は大合唱。空飛ぶ紙飛行機。
…って。なんなの?
少しヒンヤリしたので。窓をしめたら……。
……階段の下から。大きな声の…ママっ‼︎
ママ。「ねええ?起きてるうーっ?」「学校からっ。いっせーメール来てるよおーっ」
わたし「なあーにいーっ?」…と。二人で階段の上に立ち……。
ママ。「学校…休みっ。臨時休校だってっ」
クララ「なんでっ?」
わたし「なんかあったのっ?」
ママ。「停電だって」「電気。つかないってよお?……」
わたし「てーでん?」「じゃあ。ムリだわ。理科の実験…できないしっ」
クララ「給食のメニュー。変えればいーじゃん?」
わたし「もお……」「そーいうー。もんだいじゃ。ないのっ」
この停電。私たちの学校…だけでした。
町の。他の小学校は…やってました。
本当に。私たちの学校…だけでした。
それは……。
次の発見で。ハッキリと。理由が…わかったんです。
パパが。ひどい(寝ぐせ)で。髪をボコンボコンにしながら。
いっつもだけど。
ママの小さいサンダルはいて。朝刊の新聞を取ろうと…ドアを開けたんです。
そしたら…いたんです。玄関の。ドアの影に?
……うずくまった。小さな女の人が。
……それは。未確認先生でしたっ‼︎
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