第4話 神様ァァァ

剣と魔法が無い…

レボル様は嘘をついていたらしい。今は僕は失意のどん底にいるんだ。グスングスン…えっ、精神年齢31歳のクセに泣いてるとか、お子ちゃまだって?泣いてなんかないやい!目にホコリが入っただけや!


「ちくしょう〜!!神様ァァァァァァァァァの嘘つきィィ、なんで仮面なんだよー!!

バカ〜アンポンタン、スットコドッコイ、異世界詐欺や〜ッ」


まるで仮面○イダーやんけ、仮面で戦うとかお子ちゃましか許されんのや。

僕7歳なんでしょと思ったそこのあなた!充分お子ちゃまじゃんとかいう突っ込みは言わなくていいで。泣いちゃう…僕の豆腐メンタルが…


また、勉強もそろそろ始めるらしい。

クソ、有意義な幼児生活もっと送っていたかったのに…貴族の子供は勉強が欠かせない。

他の貴族に舐められてしまうし、恥をかくからである。貴族とは狡猾さが必須なのだ。どの貴族も虎視眈々と弱みを見せた獲物を狙っているとかいないとか… 


このユピアでは、小学校はない。貴族の子供は皆、家でそれぞれ家庭教師がついているそうだ。さすが、貴族。それが8歳から10歳まで続き2年で初等教育を終わらせるのが一般的だとのこと。 


中等教育、高等教育は王都にある。

王立総合仮面学園に通うのが貴族として常識だとなっているとなっているという。ちなみに通う期間は日本と同じで3年ずつ計6年間在学が基本。中には飛び級するやつもいるとか…

いつの時代だって天才はいるものんだな、嫉妬しちゃうよ。


そんなある時、父様が急に魔物を狩りに行くといってきた。ルーイン伯爵家の領地は王都から少し離れた場所にある。この世界は魔物というものが当たり前のようにいる。さすがファンタジー、剣と魔法はないけど。イラッ…領都の近くにある洞窟に魔物が出たというのだ。たまたま父様は、視察と重なるからということで討伐するという。

ラピス一緒に来ないか?と誘われたのだ。これも教育の一環らしい。私達の領地がどんなものかを見たほうがいいのではという。


ルーイン伯爵家はブルム王国には3つしかないダンジョンを持ついわゆる迷宮都市を領地としている。


迷宮の利益はとても美味しいらしくルーイン伯爵家の発展の大きな要因だというじゃないか。

仮面が無いと入れないらしいから…残念。



というわけで、視察に来たわけだ。母様に何も言わなかったけど大丈夫なんだろうか?

まぁ、いっか。

馬車に乗って2時間くらい?

看板にはジョルジュ村と書いてあった。


「伯爵様、ようこそ、お越しくださいました。村長のジルと申します。」


「今年の麦の生育状況はどうかな?」


「まあまあといったところでしょうか。最近、猛暑が続いていましたので…」


すると、父様が仮面をおもむろに取り出した。

綺麗だった。深い青色をベースに白の模様がはいった感じのものだった。シンプルな作りで見るものを魅了する。さながら芸術品…


それだけじゃない、なんかオーラが出てるような…いや、父様全体から出てない?

何それ、興奮しちゃうて。31歳病がくすぐるじゃないか…





「雨を降らさせて良いってことかな?」


そういうと、雨雲が発生、そこそこの雨が…、

仮面便利すぎん!?


Side:レイド

「さっさと、視察も終わらせようか。ゴブリンはどこにいるのかい?」

いいとこ、息子に見せたい…

仮面だってカッコいいんだって…

ラピスが剣と魔法好きなように実は私、仮面ヲタクなのだ!!仮面は1人1つしか原則使えないのに研究といい無駄に買っていたのがばれルチルに散々怒られるという筋金入り。

何を隠そう今回の視察も領地の様子を見に行くという建前のもと、息子に仮面の魅力を伝えカッコいいところを見てもらうためである。





Side:ラピス


村長に案内してもらい、村のはずれの如何にも不気味な洞窟に着いた。すると、


グギャグギャッ      声が聞こえる。


キモい。その一言がふさわしい光景だ…

どこを見ても、人相の悪い緑色の人型で溢れかえっていた。簡単に例えると、直径1メートルの円の中におじさん7.8人に突き詰めた感じだ。


「息子にいいところを見せるための踏み台になれ…ゴブリンども!ボソボソ…アクアエスパーダ!!」


その瞬間、父様の仮面がうっすら光り周囲から水の刃が数枚射出された。

凄まじい切れ味でざっと数えて150体以上いたゴブリンは全て血を撒き散らしながら絶命している。


血に濡れながらも、青いオーラを持つ父様は超カッコ良かった…


僕も、仮面が…

いやいや、駄目だ。僕は剣と魔法が好きなんだから。浮気になってしまう…

だけど、やっぱり…欲し…


「視察も終わったし、帰るぞ〜ラピス!」

ラピスの目がキラキラしてた。これは作成成功に違いないな。ふふふ、これはラピスと同志になるのも近いかもな…



その後…

父様は勝手に僕を視察と魔物退治に連れ出したために、母様にしこたま怒られていた…

母様笑顔に見えたけど、目が笑っていなかったぜ…父様の悲鳴が聞こえたのは空耳に違いない。


母は強し

どの世界でも共通の理念みたいだ…











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剣と魔法の世界に転生いえいえここは仮面の世界です!! 蒼野創月 @moon20

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