第6話 幼馴染彼女と過ごすある日の昼①

(ドアが開く)

「やあやあ。彼女が遊びに来たよー」

「えいっ!」

(ベッドの貴方の上に飛び乗る)

「ん? 今なんて言った?」

「今絶対重いっていったよね」

「いや言ったって。何、私が太ったって言いたいの?」

「ふーん。まあ私別に太ってないけどね」

「いや太ってないし! 体重? 言うわけないでしょ」

「まったく、これだからオタクは! すぐ女の子にそういうこと言うんだから!」

「いい? 世の中の女子がみんなアニメみたいにBMI20未満の瘦せ型じゃないってこと覚えておきなさい」

「……まあ確かにこの前夜更かししてラーメン食べたりしたけどさ」

「でもあのときは黒烏龍茶飲んでるし……」

「昨日食べたお菓子もマカダミアナッツだけだし」

「え、マカダミアナッツってあの見た目でそんなにカロリーあんの? えぇ詐欺じゃん……」

「でもでも高校生の時と食べる量そんなに変わらないよ? それなのにどうしてっ」

「あーなるほど、高校までは体育の授業とかで毎週身体を動かす習慣があったからか」

「そして体育の講義も終えて、運動系のサークルに入ってるわけでもないから運動不足……」

「理解理解。つまり運動すればすぐに元通りになれるということだね」

「よし決めた。運動しよう」

「お、協力してくれるの?」

「ランニング!? 今から!? 無理無理無理無理」

「え、馬鹿じゃないの!? 全身筋肉痛で歩けなくなっちゃうって」

「ウォーキングもなぁ……それ実質ランニングじゃん……」

「そうだよ。チャーハンとピラフくらいの違いしかないよそれじゃあ」

「そうだ! ぷにってるところを重点的にやればいいんだよ」

「てことで、ぷにってるところを探そう」

「まずは顔かな」

「どう? 顎周りとか丸くなってない?」

「ふふっ、顔見ただけで何照れてんの。もっと近くで見てよ」

「どう? 彼女の顔は今日も可愛かろ」

「丸くなってない? よかったー、それじゃあ次ね」

「次は二の腕かな」

「む……むぅ。自分じゃ全然わからん。触ってみてよ」

「どう? ぷにってる?」

「あー、確かに若干柔らかい気がする」

「ねえ、二の腕とおっぱいの柔らかさって一緒だって聞くけど、あれって本当なの?」

「ふ~ん。昔テレビで検証してたんだ。結果は?」

「おっぱいの方が柔らかいか。でもそれって胸の大きさや腕の筋肉量で変わらない?」

「あー……そこにマジレスするのは野暮か」

「それじゃあ、次はお腹だね」

(シャツを捲る)

「夏に水着着たばかりだし、着れなくなったボトムもないから大丈夫だとは思うんだけど……」

「っておい。腹をつまむな」

「まったく油断も隙もありゃしない」

「いやっ、ちょっと、なんで急にくすぐるの。いやくすぐるのも駄目だって」

「うわっ、あははははっ、私それ弱いんだって! いひひっ、はぁっー……はぁーっ……」

「……今度、覚えておけよ?」

「それじゃあ最後は太ももかなー」

「太ももっていうくらいだし、太くても良くないか?」

「だって最近は太ももが太いキャラも多いじゃん。オタクにも受け入れられている気がするし」

「さて、これで鍛える箇所が分かったけど、どんなトレーニングにしよっかな」

(スマホで検索する彼女)

「これはきつそうだから無理。これは家だとできないから無理。これは……食事制限がキツすぎるから無理」

「うーん……やっぱりまずはウォーキングから始めよっか。明日から」

「そ、明日から本気出す!」

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