第3話 ドキドキの……♡
そんな感じで数日を過ごして、ユミカちゃんの事が気になりモヤモヤした気分で過ごしていた。夜にベッドで横になりモヤモヤした気持ちの原因を考えた。
ユミカちゃんの接し方ってベタベタしてくるし、表情もニコッて頬を赤くさせてるし困るんだよね…… まるで恋人みたいな感じでさぁ。何だかドキドキちゃって反応に困っちゃうって。
「あぁ〜もぉ。何なのユミカちゃん!あれじゃまるで恋人扱いじゃない!?」
つい誰も居ない部屋の天井に向かって声を出して文句を言ってしまった。慌てて口に手を当てて頬を赤くさせて、布団を被って寝た振りをして誤魔化した。
もうこんなモヤモヤした気持ち嫌だなぁ…… 明日、土曜日だしユミカちゃんに聞いてハッキリさせようかな。ん? え? これじゃ私が告白するみたいじゃない!?
翌朝……
「うぅ〜ん…… はぁ。あんまり寝れなかったな〜 はぁ〜 ねむい……」
朝の支度を済ませてベッドに座るとユミカちゃんが遊びに来た。わぁっ。緊張してきちゃった…… 告白なんてしたこと無いのに始めての告白がユミカちゃんになるなんてっ。
部屋をノックする音がして返事を返すと、笑顔のユミカちゃんが入ってきた。長い付き合いなので親が玄関の鍵を開けてくれると勝手に入ってくるんだよね。
「おはよ。なにその顔ー? 寝不足?」
え? そんな事無いけど…… あまり寝られなかったのは事実だけど寝不足ではないと思うけどな。私、変な顔してた? 緊張はしているけどね。
「べ、別に? そんな事ないよ?」
「ふぅ〜ん…… 変なリオ」
そう言うと、隣に座ってきた。あの…… 近いんですけれど。隣に座られて、あのシャンプーの甘く優しい良い香りが漂ってきた。
「変かな? いつも通りだって……」
「それにしても、リオの部屋に入るのって久しぶりな気がするなぁ」
あぁーそうかも。最近は、二人っきりで部屋に居ると緊張しちゃうし避けてたかもなぁ。ユミカちゃんが部屋を見渡して居るのが横目に写り私を見つめている視線を感じた。
「あ、あのさ……」
「ん?」
もぉ…… 早く聞いてラクになろう。ユミカちゃんの顔を見つめて向き合うと、驚いた表情をして目を逸らされた。
「ユミカちゃんと付き合いが長いじゃない?」
「うん。だねぇ…… 長いね。小学校に入る前からだしね」
「ユミカちゃんが、その…… ベタベタしてくるのって、私の事が好きだから?」
「え? あ…… う、うん。好きだよ……」
あれ? すんなりと認めてくれた? あ、でも好きでも種類があるしね。友達の好き、恋人の好きどっちだろ?恋人の好きだったら良いなぁ……。ユミカちゃんが頬を赤くさせ恥ずかしそうに答えた。
「それってさぁ…… その…… 好きってどっちの?」
「どっちって?」
「……友達として?…… 恋人として?」
「……こ、恋人かなぁ…… 嫌だよね? おかしいよね? あはは。言っちゃった……」
それを聞いて全身の力が抜ける感じでホッとしたが、それと共に嬉しい感情が溢れ出てきて返事も返さずに抱きしめた。わぁっ。告白じゃなくて…… ユミカちゃんに告白をさせちゃったぁ。
心臓が高鳴り幸せな感情が溢れ出てきてヤバイ。私に抱きしめられて驚いた表情をして、私の腰に腕を回してきて抱きしめ返された。
「り、リオ…… 返事聞いてない」
「え?」
もぉ。私の反応を見れば分かるでしょ! 嫌だったら、キライだったら抱きしめたりしないのに。ユミカちゃんが不安そうな表情をして抱きしめていた手で私を押し離してきた。
「え? じゃないよ。へ・ん・じ・聞いてない!」
「私の態度を見て分かるでしょ……?」
「……はぁ? 私だけ告白? ズルいよ! 私もリオの口から聞きたいんですけど?」
ユミカちゃんが頬を可愛く膨らませて怒った表情をして見つめてくる。あ…… 私も言わないとダメなヤツ? 告白かぁ……。再び緊張をしてきた。
答えが分かっていてもドキドキするんだなぁ……
「えっと……」
ユミカちゃんが、珍しく真剣な表情をして見つめてきて緊張が増してしまった。
「うん」
「その……」
「うん。どうなのよっ!?」
モジモジしていると怒られた。告白する時に普通……怒る?えぇ?多分、目を潤んできたかも…… 緊張と怒られたせいで。
「えぇ? あぁーご、ごめん。つい…… 早く返事を聞きたくて…… 好きな人に好きって言ってもらいたいじゃない?」
やっぱり目が潤んでるみたいで、ユミカちゃんが慌てだして…… ギュゥっと抱きしめてきた。
「……ユミカちゃんが、好き。大好き……」
「うん。私もリオが好き!」
しばらく2人で抱きしめ合い少し気まずくなってきた。
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