第3話 プールで百合、百合。
夜遅く、私が寝ようしていると。
トントン、うん?ノック音がする。
「ミキティー姉様、プールのタダ券を手に入れました」
照れた様子の義妹の虹菜が部屋に入ってくるといきなり話し始める。
「興奮していつ言い出すか難儀しましたのでこの時間です」
確かに遅い時間だ。しかし、プールのタダ券と聞いて、夜中の来客でも上機嫌になる。
「ほっほ~う、何処で手に入れたのだ?」
「十代の言葉なる新聞のコラムに応募したら採用されました」
うむ、天才キャラらしいタダ券の手に入れ方だ。
さて、問題は水着だ。今の時代、ネットで季節関係なく手に入れられるが。先立つモノがない。そう、お金が無いのだ。
私が小首を傾げていると。
「ミキティー姉様、私、水着が無いです。姉様と一つになる為に古い水着を貸して下さい」
少し、疑問に残る表現だが貸すしか無かろう。私は思い切って新品を買うか。
「それでどれがいいのか?」
虹菜にクローゼットの奥にある水着を見せる。
「この黒い紐ビキニです」
あああ、買ったはいいが恥ずかしくて着てないビキニだ。これは室内プールなのに嵐の予感だ。
さて、虹菜と共に室内プール施設に来ている。虹菜は一緒に更衣室に入ろうと言うが、入る前から性的な視線を感じたので却下である。
しかし、色々、だだをこねられたが。結局、時間をずらして入る事になった。私は先に更衣室に入り、薄ピンク色のスカートセパレートの水着を着るのであった。
そして、更衣室に入れ替わりに入った虹菜を待つと……。
黒の紐ビキニ姿の虹菜が現れる。
エロいなー。少し大きめのバストに引き締まったヒップ。まさに現代のヴィーナスだ。
「ミキティー姉様、清楚で可愛くて素敵……」
いや、お前がエロ過ぎる。
この室内プールには二階ほどの高さのウオータースライダーがある。早速、試してみようと入口にたどり着く。
「ミキティー姉様、これ紐ビキニが取れるパターンです」
不安そうな虹菜は何時のも元気がない。これは好機、私は口元がωになり。虹菜を無理やりウオータースライダーに入れる。
「ひいいい」
悲鳴と共に虹菜はウオータースライダーを降りて行く。さて、私も……。その後、ウオータースライダー滑り降りると。
案の定、虹菜の胸の紐ビキニが取れている。腕でバストを隠して泣きそうな顔をしている。
「ミキティー姉様、お願いですから探して下さい」
辺りを探してみると。プールの底に黒いビキニを発見する。私は素直に拾ってあげる事にした。
「ほら、セクシー黒いビキニだ」
「流石、ミキティー姉様、お優しい」
そうか?無理やり、ウオータースライダーに入れたのは私だぞ。しかし、私にここまでサド気があるとはビックリだ。
ウオータースライダーで楽しんだ後の事である。一人で自販機の前のベンチに座って休んでいると。
しばしの単独行動であった虹菜が戻って来る。
「じゃん、赤色の紐ビキニです」
虹菜が手にしていたのはセクシービキニであった。
「はぃ?」
「水着のレンタルサービスで借りてきました」
……。
私は沈黙で答えていると。
「ささ、迷わずに、ビキニを着ると良い」
確かに黒い紐ビキニは私が買った物だが、余りにもセクシーなので封印したのだ。ううう、虹菜の言葉に負けて着る事にした。更衣室に向かい赤の紐ビキニを身に付ける。
そして、興奮した様子の虹菜の前に立つと。
「ミキティー姉様、お揃いのビキニ姿でいると心も体も一つに成れた気がします」
いや、だから、エロい表現を使うな。
室内プール場からの帰りのバスの中の事である。
「ミキティー姉様、赤の紐ビキニは買い取りしましたね」
虹菜は小悪魔の様に笑いながら話す。回想すると。
「お客様、水着がお似合いなので買い取りはいかがですか?」
と、店員さんにすごまれる。こ、断れない。結局、買取して、私は優柔不断な性格に後悔をしていた。
更に回想すると。
赤の紐ビキニを着てからは大変であった。
「君達モデルさん?SNSアカウントのフォローしていい?」
などと、高校生くらいの男子にナンパまがいの声をかけられる。
虹菜が腕を組んでくるので目立つ、目立つ。
「あ!百合カップルだ!」
子供達に冷かされて。
「ミキティー姉様の胸柔らかい」
トイレの隅で虹菜は有頂天な態度で私の胸を揉む。拒否権を使い何とかその場は逃げだす事に成功した。
結果、目がグルグルになって帰路についたのであった。
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