第2話 高校での日常
虹菜が転校して来て、しばらく経っての事である。全校生徒対象の実力テストが行われた。
科目は英語、数学、国語であった。
成績は二十位か……。
これなら少し自慢できるなと思う。私はニタニタとしていると。
「ミキティー姉様、私は二位でした」
現れたのは虹菜である。一年のクラスからわざわざやって来たのだ。
「英語のスペルミスが無ければ一番でした」
あー自慢話か……。
私は機嫌が悪くなり、二十位の成績表を丸めてゴミ箱に捨てる。
「私は作られた天才なので意味は薄いです」
ほほーう、確かに天才キャラの虹菜に相応しいセリフだ。どうせ、培養液で育ったとか言い出すに違いない。
「私は培養液で育った天才なのでミキティー姉様に会えて嬉しいです」
マジか!マジなのか?
「ははは、悪い冗談はそれぐらいでいいぞ」
「えへへへへ、本当は秘密なので冗談と言う事にしておきましょう」
ふ~う、本人が冗談と言っているのでここはそゆう事にしておこう。文脈からして、本当なのであろうが、私は納得するのであった。
今日の二限の授業は体育である。内容はサッカーであった。一クラス内だけでは女子の人数が足りず、当然試合はできない。そこで話しを聞くと一年のクラスと合同で授業を行うらしい。
要はクラス対抗戦になるのだ。よく見ると虹菜のクラスだ。流石に女子はクラス内に11人以上いるので虹菜は控えである。
私は先発で出場だ。ポジションは中盤である。
あああ、目立たないポジションで少し落ち込む。華のワントップで出場したいものだ。はて?そんなガチのチームと言えるかと聞かれたら違う。ただのクラス対抗の女子高生のチームである。
そして、ホイッスルと共に試合が始まる。
結局、私のポジションの中盤でもかなり走る事になる。はせはせ、体が重い、ただの女子高生にガチな試合をさせるなと思いながら走る。
「ミキティー姉様、揺れる胸が素敵です」
虹菜から私に声援が放たれる。性的な視線を感じると思ったら虹菜が見ていたのか。
ホント、下ネタを言う男子の様だ。
最近の日課である、義妹の虹菜とのランチである。私は不登校であった頃から何も変わらないトラウマから、何処のグループに属していない。
確かに自由ではあるが改めて虹菜と一緒にご飯を食べると嬉しい気分になる。
「ミキティー姉様、昨日のサッカーの試合楽しかったですね」
「普通の体育の授業だぞ」
私が反論すると、虹菜は頬を赤らめている。
「たわわな、胸の揺れが昨日の事の様に思い出せます」
イヤ、昨日のことだ。まるで数年前の事のように喋る。それでも虹菜は幸せそうである。
取りあえず、これ以上深く考えないておこう。
「それはさておき、このハート型に切られた人参はお弁当に愛を感じます」
毎日のご飯だ、アクセントがあれば作っていても楽しい。虹菜は私の作ったお弁当をやはり幸せそうに食べる。私は少しだけ楽しく生きる意味を感じた気がするのであった。
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