第2話 ダメかな?
登場人物
性別:男
年齢:24
身長:178
性別:女
年齢:24
身長:162
買い物デートを終え、
「ふは~。疲れた~。」
そう言いながら太希は荷物を玄関に置く。
そんな太希に水樹は笑顔で「お疲れ様。」と言って抱きつく。
「それと…お帰りなさい。」
1人暮らしをしてから直接聞くのは初めての言葉。その言葉が太希に同棲というものを強く意識させた。
そう…これからは2人でこの家に住むのだ。
「ただいま。それと、お帰り。」
そう太希が言葉を返すと水樹は嬉しそうな表情を太希に向ける。そして元気よく「ただいま!!」と返す。
※
2人はリビングに移動するとソファーに座り込む。
「さ~ぁてと。夕飯作るか~。」
そう言いながら太希は体を伸ばす。
「おぉ。太希君が作ってくれるの?」
そう水樹が手を叩きながら言う。
「まっかせなさ~ぁい。
チャーハンを作らせたら、オレの右に出る者はいないぜ。」
そうかっこつけながら言うと太希はキッチンに向かう。
そんな太希を水樹は期待の眼差しで見送る。
※
「はーい。お待たせ~。」
そう言って太希は机の上にできたてのチャーハンを置く。
「よっ。待ってました~ぁ。」
そうテンション高く言うと水樹はいただきますをしてチャーハンを1口食べる。
「美味しい!!」
そう水樹が驚いた顔で言う。
「だろ?」
そう太希は得意気な表情を見せる。
「他には何か料理できるの?」
そう水樹が尋ねる。
「嫌。チャーハンオンリーだよ。」
そう太希が真顔で答えると水樹は大きく笑う。
「そんな真顔で言う言葉じゃないでしょ。そっか。私も料理はそこまで得意じゃないからなぁ。一緒に勉強しようか。」
そう水樹は優しく微笑む。
その微笑みが太希の心の幸せを強くする。
その幸せが太希に口を開かせた。
「やっぱ。水樹の事好きだな。」
突然の言葉に水樹は大きく驚く。
「あ、ありがとう。でも急にどうしたの?」
そう水樹は疑問に思う。
「ううん。ただ思った事を言っただけだよ。それに、毎日1回は言ってほしいんだろ?」
そう太希に言われて水樹は昨日の同棲前のミーティング電話を思い出す。
「覚えててくれたんだ。」
そう水樹は嬉しそうに微笑む。
「当たり前だろ?残り4つもちゃんと覚えてるよ。」
そう言いながら太希はチャーハンを口に運ぶ。
「・・・本当はどうでもいいんだよ。そんなの。」
「え?」
そう太希は驚いた顔を水樹に向ける。
「ただ太希君と一緒に居れるだけ私は幸せだよ。」
「じゃぁなんで?」
「女の子はねぇ。不安が多い生き物なんだよ。自分は愛されてるんだって、いつも感じていたいんだ。だから…
そう少し不安の影が映る瞳で水樹は尋ねる。
そんな水樹を優しく抱きしめると太希は優しい声でこう言った。
「ダメじゃないよ。」
その太希の言葉が嬉しくて水樹は抱きしめ返す。
※
食事を終え、風呂に入り、リビングでのんびりしていると時刻はもう夜の11時を回っていた。
「もうこんな時間か。そろそろ寝るか。」
そう言って太希はソファーから立ち上がると大きく体を伸ばす。
「そうだね。じゃぁ…。」
そう言って立ち上がった水樹は太希の方を向き目を閉じる。
そんな水樹に太希は優しくキスをする。
「また明日。」
そう太希は目を開けた水樹に優しく言う。
「また明日。」
そう水樹は嬉しそうに言葉を返す。
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