第2話 ダメかな?

登場人物


山西やまにし太希たいき

性別:男

年齢:24

身長:178


神川かみがわ水樹みずき

性別:女

年齢:24

身長:162






買い物デートを終え、太希たいき水樹みずきは家に帰ってくる。


「ふは~。疲れた~。」


そう言いながら太希は荷物を玄関に置く。


そんな太希に水樹は笑顔で「お疲れ様。」と言って抱きつく。


「それと…。」


1人暮らしをしてから直接聞くのは初めての言葉。その言葉が太希に同棲というものを強く意識させた。


そう…これからは2でこの家に住むのだ。


「ただいま。それと、お帰り。」


そう太希が言葉を返すと水樹は嬉しそうな表情を太希に向ける。そして元気よく「ただいま!!」と返す。



2人はリビングに移動するとソファーに座り込む。


「さ~ぁてと。夕飯作るか~。」


そう言いながら太希は体を伸ばす。


「おぉ。太希君が作ってくれるの?」


そう水樹が手を叩きながら言う。


「まっかせなさ~ぁい。

チャーハンを作らせたら、オレの右に出る者はいないぜ。」


そうかっこつけながら言うと太希はキッチンに向かう。


そんな太希を水樹は期待の眼差しで見送る。



「はーい。お待たせ~。」


そう言って太希は机の上にできたてのチャーハンを置く。


「よっ。待ってました~ぁ。」


そうテンション高く言うと水樹はいただきますをしてチャーハンを1口食べる。


「美味しい!!」


そう水樹が驚いた顔で言う。


「だろ?」


そう太希は得意気な表情を見せる。


「他には何か料理できるの?」


そう水樹が尋ねる。


「嫌。チャーハンオンリーだよ。」


そう太希が真顔で答えると水樹は大きく笑う。


「そんな真顔で言う言葉じゃないでしょ。そっか。私も料理はそこまで得意じゃないからなぁ。一緒に勉強しようか。」


そう水樹は優しく微笑む。


その微笑みが太希の心の幸せを強くする。


その幸せが太希に口を開かせた。


「やっぱ。水樹の事好きだな。」


突然の言葉に水樹は大きく驚く。


「あ、ありがとう。でも急にどうしたの?」


そう水樹は疑問に思う。


「ううん。ただ思った事を言っただけだよ。それに、毎日1回は言ってほしいんだろ?」


そう太希に言われて水樹は昨日の同棲前のミーティング電話を思い出す。


「覚えててくれたんだ。」


そう水樹は嬉しそうに微笑む。


「当たり前だろ?残り4つもちゃんと覚えてるよ。」


そう言いながら太希はチャーハンを口に運ぶ。


「・・・本当はどうでもいいんだよ。そんなの。」


「え?」


そう太希は驚いた顔を水樹に向ける。


「ただ太希君と一緒に居れるだけ私は幸せだよ。」


「じゃぁなんで?」


「女の子はねぇ。不安が多い生き物なんだよ。自分は愛されてるんだって、いつも感じていたいんだ。だから…がままを言いたくなるの。ダメかな?」


そう少し不安の影が映る瞳で水樹は尋ねる。


そんな水樹を優しく抱きしめると太希は優しい声でこう言った。


「ダメじゃないよ。」


その太希の言葉が嬉しくて水樹は抱きしめ返す。



食事を終え、風呂に入り、リビングでのんびりしていると時刻はもう夜の11時を回っていた。


「もうこんな時間か。そろそろ寝るか。」


そう言って太希はソファーから立ち上がると大きく体を伸ばす。


「そうだね。じゃぁ…。」


そう言って立ち上がった水樹は太希の方を向き目を閉じる。


そんな水樹に太希は優しくキスをする。


「また明日。」


そう太希は目を開けた水樹に優しく言う。


「また明日。」


そう水樹は嬉しそうに言葉を返す。

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