第17話 女性ばかりの大運動会 2

 第二種目:障害物競走


 第一種目が終わり、会場に少しばかりの休憩が訪れた。


 候補生たちは次の競技に向けて体をほぐし、再び集中力を高めている。

 僕は次の種目の準備が整ったことを確認し、再び壇上に立った。


「それでは、次の種目を始めます。次は、障害物競走です」


 僕がそう宣言すると、会場が再びざわめき始めた。


 候補生たちが再び整列し、スタート地点に向かう。そこには、さまざまな障害物が配置されていた。跳び箱、平均台、ネットをくぐり抜けるセクションなどが並んでいる。


 しかし、僕は彼女たちの姿を見て、思わず目を疑った。

 なぜなら、全員がブルマと体操服姿だったからだ。


「えっ、なんでブルマなの…?」


 僕は思わず、ツッコミを入れた。


 周りを見渡してみると、誰も不思議に思っていない様子だ。

 どうやらこの世界では、女性たちがこういった競技でブルマを履くことが普通らしい。


 確かに動きやすいと思うけど、デザインが古くない?

 リンが僕の隣に来て、笑顔で説明してくれた。


「カイ様、どうされました?」

「いや、どうして全員ブルマなの?」

「うん? 運動をする時にはブルマを履くのが学生時代から当たり前ですよ」

「そうなの!?」

「はい。アラタでは、動きやすい服装として一般的なんです。特にこういった運動会では、機動性が求められるため、最適な衣装なんですよ」

「そうだったんだ…」


 僕は少し納得しつつも、どこか違和感を拭えないまま、次の競技を進めることにした。


「それでは、障害物競走を始めます! みなさん、準備はいいですか?」


 候補生たちは真剣な表情でスタートラインに並び、スタンバイの姿勢を取った。


 彼女たちは一度心を決めると、周囲のことなど気にせず、競技に集中している。

 僕はその気迫を感じ取り、掛け声をかけた。


「よーい、スタート!」


 その合図とともに、全員が一斉にスタートを切った。


 最初のセクションは跳び箱だ。候補生たちは次々と跳び箱を飛び越えていく。

 ブルマ姿の彼女たちが軽やかに跳ぶ姿は、まるで風を切るようだった。


「おお、すごい…みんな機敏だな…」


 パイロットとして、普段から訓練を積んでいる女性たちは、動きが機敏だ。

 ただ、上下に揺れる夢袋に視線を向けてしまう。


 大きな人、特にフェイなどは凄い揺れてるよ!!


 僕はその俊敏さに感心しつつも、視線はどうしても次から次に揺れる夢袋に向いてしまう。


 ブルマに揺れまくりで、真剣に競技を進行中だ。


 次は平均台のセクションだ。


 候補生たちはバランスを取りながら、慎重に平均台を渡っていく。


 今度は、綺麗な足を伸ばしてブルマから見える美脚に目が行ってしまう。


 先頭をライラは一気に渡り切り、次のセクションに向かう。

 次点で、エリスは冷静にバランスを保ちながら、ゆっくりと、しかし確実に進んでいく。


「ライラ、相変わらずのスピードだな…でも、エリスの安定感も捨てがたい」


 僕の研究に協力してくれた三人は、やっぱり優秀なんだな。

 反射神経や、身体能力で他の人たちを圧倒できている。


 次のセクションはネットくぐりだ。


 彼女たちは体を低くし、素早くネットの下をくぐり抜けていく。


 この部分では、ライラのスピードが再び目を引いた。エリスも遅れずに続き、フェイもまた慎重に進んでいく。


 最後のセクションは、砂場を越えるダッシュだ。


 ここでは純粋な脚力が試される。


 ネットに砂場で、泥まみれになった彼女たちは、なんだか綺麗だった。


 ライラが先頭を走り、エリスがそのすぐ後ろにつける。

 フェイは少し遅れを取っているが、全力で追い上げを図っていた。


 そして、ゴールに向かって全員がラストスパートをかけた。


「ライラが1位か…さすがだな」


 ライラが一番にゴールテープを切り、その後をエリス、そしてフェイが追う形でゴールした。


 僕は結果を確認し、再び壇上に立った。


「皆さん、お疲れ様でした! 障害物競走の結果はこのようになりました。特に、ライラ、エリス、フェイの三人は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました」


 候補生たちがそれぞれの結果に満足し、笑顔を浮かべる中、僕は次の種目に向けて準備を進めるように指示を出した。


「次の種目も引き続き、全力で挑んでください!」


 僕は次の種目に備える彼女たちを見ながら、ブルマ姿にも少し慣れてきた自分に気づいた。


 アラタではこれが普通なのだと、改めて認識しつつ、競技の進行を見守ることにした。


 うん。僕は嫌いじゃないよ。

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